当研究室に既設の複合押出し試験の油圧回路を、手動制御からパ-ソナルコンピュ-タによる電気的制御方式に改造した。改造の骨子は、試験機本体部分は既存のままとし、電磁比例圧力制御バルブで制御するために油圧ポンプを含めて油圧ユニットを一式交換せざるを得なかった。その改造の結果、試験機は以下の様な性能を示すことが明らかとなった。 (1)上下のラムは独立して駆動可能であり、20トン以下の範囲で定加圧速度に制御したり、一定圧力で長時間保持することも可能となった。 (2)電磁比例方向流動制御バルブの使用により、あらかじめ設定した速度に制御できた。 (3)油圧ポンプにオイルク-ラ-を付属させたので、長時間の試験にも耐えられる。 (4)以上(1)〜(3)の特性を生かして成形圧力一定試験や、成形速度一定の制御が可能となった。 以上、装置の設計と試作・改造に手間どり、また納入後も性能と制御が容易ではなかったので初年度の成果は十分に得られなかったが、現在は比較的順調に制御可能になっているので、今後この試験機により(4)の2方式を用いて成形特性と成形品の特性評価を行う予定でいる。その内容を以下に示す。 (1)Al系超塑性粉末をマトリックス金属とし、各種混合粉末との最適成形条件を決定する。 (2)成形品(超塑性合金基複合材料)については新しい機能、例えば強度特性、軽量化、振動吸収能、音響特性、熱伝達率、導電率などの機能特性の評価試験を2年度目に行う予定で計画している。
|