研究課題/領域番号 |
01850154
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐久間 健人 東京大学, 工学部, 教授 (50005500)
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研究分担者 |
菊池 則文 三菱マテリアル(株), 中央研究所, 室長
吉澤 友一 東京大学, 工学部, 助手 (00200973)
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キーワード | ジルコニア / 超塑性 / 結晶粒成長 / Al_2O_3ーZrO_2(アルミナ-ジルコニア) |
研究概要 |
今年度は、Y_2O_3を添加した正方晶ジルコニア多結晶(TZP)とAl_2O_3ーZrO_2について高温変形特性を調べた。得られた結果は次のように要約される。 (1)TZPの超塑性変形温度を低下させるには、少量の粒界ガラス相の添加が有効である。リシウム・アルミノシリケ-ト系ガラスを用いることにより、変形可能な温度を約200℃低下させることができた。ガラス添加による高温変形能の改善については、現在特許申請中である。 (2)TZPは、変形中に結晶粒成長が促進されることが分った。これは変形誘起結晶粒成長によるものである。結晶粒成長速度とひずみ速度の関係は、多くの超塑性合金にみられるものと類似の挙動を示したが、粒成長速度は、合金よりも約2桁小さかった。これは、TZPの高温変形中に生じる単位粒界すべりあたりの粒界移動量が、合金に比べてずっと小さいためであると考えられた。 (3)Al_2O_3ーZrO_2系の高温変形応力は、組成によって変化することが見出された。1400℃における変形応力は、ZrO_2濃度〜5ut%のところで極大値をとる。これは、Al_2O_3に少量のZrO_2を添加した系の結晶粒径分布が不均一であることに関連しているものと考えられた。
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