機能性材料の破砕成形加工法の開発

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01850155
• 研究種目: 試験研究
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 相沢 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
• 研究分担者: 木原 諄二 東京大学, 工学部, 教授 (00010801) ; 長崎 千裕 東京大学, 工学部, 助手 (90180471)
• キーワード: 破砕成形・加工 / セラミック材料 / 機能材料 / 線材圧延 / シ-ス材料 / 制御圧縮場 / ち密化 / 粉体構造制御

研究概要

セラミック材料・ニュ-ガラス材料あるいは金属間化合物では、その本質的な脆性ゆえに通常の成形、例えば塑性加工による成形は特殊な場合を除いてほとんど不可能であり、これらの材料のNear-Net Shape成形・複合成形などの高度成形加工技術に通じる特性を有する優れた成形手法の開発が強く望まれている。破砕成形加工(Controlled Fracture Forming Process)は、粗焼結体(材料にも依存するがほぼ相対密度が50〜70%程度の焼結体)を金属シ-ス材料に封入し、一体化した素材を目的とする形状に直接成形し、最終焼結によるNNSで製品部材を成形するプロセスであり、制御圧縮場中で粗焼結体を粉体・粒状体に破砕するとともに、シ-ス材の塑性流動を利用して所定形状を作成する。この手法は通常の粉体成形と比較して、原材料粉体粒径よりも径の小さい粒状体に破砕過程で加工できること、圧密過程によって低密度から大きなち密化がはかれること、密度分布が少ないグリ-ンコンパクト・焼結材が得られることなどを特徴としている。本研究では、α-Al_2O_3-Ni/SUS304/Brass材料を用いた線材化プロセス、B-ガラス-Cu/SUS304およびα-Al_2O_3-Ni材料による積層板材化プロセスを対象にして、
(i)加工軍限界に与える力学的ならびに材料学的因子の解明、
(ii)圧密化プロセスに与える初期焼結体密度・シ-ス材料寸法の影響
(iii)最終焼結条件の検討、焼結体の粉体構造評価について実験検討・考察を行った。その結果、線材化に関しては、直径0.3mm以下のNi/SUS-304-Al_2O_3線材が作成でき、大気封入条件数で初期密度よりも高いち密化が得られた。現在、真空封入プロセスおよび密度計測の研究・改良を行っており、ひきつづき線材化・板材化プロセスにより、金属-セラミツク/ガラス材料の制御破砕成形プロセスの確立を企っている。

研究成果

• [文献書誌] T.Aizawa and J.Kihara: "Direct Ball-Element Method for Simulation Mechanical Behavior of the Ceramic and Metal Poweders" Proc.Advances in Plasticity. 7-10 (1989)
• [文献書誌] T.Aizawa,C.Xing-Ming and J.Kihara: "On a Wire-Forming of Ceramics by Controlled Fracture Forming Process" Proc.1st Japan Int.SMAPE Symposium. 781-786 (1989)
• [文献書誌] T.Aizawa and J.Kihara: "Impact Consolidation and Compaction of Powder/Granular Materials,Sympusium on Computational Techniques for Contact,Impact,Penetration and Perforation of Solids" 110th ASME Winter Annual Meeting. H00540. 121-128 (1989)
• [文献書誌] 相澤: "粉体・粒状体の成形解析" 構造工学における数値解析法シンポジウム論文集. 13. 317-322 (1989)
• [文献書誌] 陳湖明,相澤,木原: "セラミック材料の制御破砕成形(第1報 アルミナ線材化プロセス)" 塑性加工春季講演論文集. 61-64 (1989)
• [文献書誌] 相澤,陳,木原: "セラミック材料の制御破砕成形(第2報 アルミナ成形体の微構造と再焼結)" 第40回塑性加工連合講演会. 643-646 (1989)