研究課題/領域番号 |
01850159
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松原 安宏 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (20044258)
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研究分担者 |
本田 義興 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助手 (10044281)
重松 浩気 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (20037964)
中山 勝 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (00044272)
笹栗 信也 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (50215737)
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キーワード | 高温耐摩耗 / 高合金鋳造材料 / 炭化物系セラミックス-金属複合化 |
研究概要 |
本研究の目的は、高温においても高硬度で耐摩耗性を有する材料の開発を溶解法及びファインセラミックの混合法(溶造法)を用いて行うことであり、得られた成果は次のようである。 1.溶解法による高炭化物系高クロム白鋳鉄の製造 Cr量が10〜40%でNb、W、V及びMoをそれぞれ5〜15%含有する合金に晶出する炭化物はNb系合金の場合、初晶NbCと共晶(CrFe)_7C_3であり、W系合金では初晶(CrFe)_7C_3と共晶WC、V系合金では初晶VC及び共晶(CrFeV)_7C_3、Mo系合金では初晶(CrFe)_7C_3と共晶(CrFe)_7C_3-Mo_2Cである。基地はいずれもγあるいはMであり、Nb以外の第3元素を少量固溶している。Fe-5Cr-5V-5Mo-5W-5Co系合金では、C<2.20%のときVCが基地中に多量析出したハイスに似た組織を有するが、それ以上のC量ではVC以外にCr、Mo、Wの複炭化物共晶とFe-Co基地組織を示し、本材料は高温耐摩耗材料としての特性が期待される。 2.炭化物系セラミックスに対する高クロム鋳鉄溶湯のぬれ性 Nbc、SiC、WCセラミックスの焼結体と25%Cr及び含Ti、V、Mo25%Cr鋳鉄のぬれ性を融点直上で調査した結果、NbCの場合、接触角は1%Ti及び5%Vでそれぞれ60°及び65°を示し、10%Moでは43°まで低下した。SiCはNbCの場合と同じ条件でも90°程度しか低下せず、WCは高クロム鋳鉄に対して約100%ぬれ、時間の経過と共に溶湯中へ解離していくことがわかった。 3.溶造法による炭化物分散複合材料の製造 高クロム鋳鉄溶湯に各セラミックス粒子を混合し、凝固させた結果、NbCはいったん混合するが凝固時に浮上偏析しやすく、SiCは混合しにくく、WCは最適の混合条件(粒度、量、温度、時間)で混合すれば、未溶解のWCが分散した複合材料が得られることがわかった。
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