研究課題/領域番号 |
01850163
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学部, 教授 (90029108)
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研究分担者 |
乾 晴行 京都大学, 工学部, 助手 (30213135)
西谷 滋人 京都大学, 工学部, 助手 (50192688)
白井 泰治 京都大学, 工学部, 助手 (20154354)
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キーワード | TiA1 / 変形モ-ド / 層状組織 / 冷間圧延 |
研究概要 |
TiA1、特に実用的に重要視されているTi-rich TiA1には特異な層状組織が発達している。この層状組織は、L1_00型構造をくずさない{111}<112]タイプの双晶を含むTiA1相とD0_<19>型構造のTi_3A1相が層状に積み重なってできあがっている。層状組織は各結晶粒ごとにばらばらであるが、1つの方位の層状組織を持つ結晶粒を大きく育成すれば、単一の層状組織のみからなる結晶が得られた。多数の薄片双晶を含む鉱物に用いられるpolysynthetic twinningという言葉との関連から、このような結晶をpolysynthetically twinned crystals(簡単にPST結晶)と呼ぶ。 PSR結晶の変形は、層状組織の方位と圧縮軸の相対方位関係に著しく依存し、層状組織に平行または垂直に圧縮した場合には、せん断変形が層状組織の境界を越えて進行するに対し、層状組織が圧縮軸に対して傾斜している場合には、せん断変形が層状組織に平行に進行する。層状組織が変形の抵抗となる場合に、降伏応力が高くなり、層状組織を持つTi-rich TiA1の変形には、 1.Hard mode(層状組織に垂直なせん断変形) 2.Easy mode(層状組織に平行なせん断変形)の2つのモ-ドが存在する。変形のeasy modeを積極的に活用すればTiA1(ほぼ化学量論組成)を室温で圧延することも可能であることが明らかになった。
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