研究課題/領域番号 |
01850170
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 茂夫 大阪大学, 工学部, 教授 (60028959)
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研究分担者 |
増谷 浩二 日本電子(株), 技術本部, 次長
大木 裕史 (株)ニコン, 光学部, 係長
河田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (30144439)
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キーワード | 光学顕微鏡 / 回折理論 / 赤外分光 / 走査光学系 |
研究概要 |
Abbeの回折理論で決まる回折限界を超えて、波長の10分の1から100分の1程度の分解をもつことのできる近接場走査光学顕微鏡を、赤外領域に対して応用することを目的として、理論的及び実験的基礎研究を行なった。以下に本年度の具体的成果を述べる。 1.理論解析:Betheの回折理論(1944)に従い、Kirchhoffの近似式を用いずに、より厳密な回折場の計算を行ない、波長より十分小さい円形開口及び輪帯開口に対する近接場における回折光のエネルギ-の流れを考察した。特に偏光面及び入射角に対する回折場の分布を調べた。 2.コンピュ-タ・シミュレ-ション:上記理論に対して、実際の数値パラメ-タを代入して、コンピュ-タシミュレ-ションを行なった。その結果、斜め入射光に対しては回折光の滲み出すエネルギ-量は大きいものの、伝播する量は小さく、スポットプロファイルも複雑であるので、垂直入射の方が好ましいこと、輪帯開口は、高分解で長深度が得られるが、円偏光か自然偏光であるべきであること、などが明らかになった。 3.装置の試作:CO_2レ-ザ(10W)を光源として用い、走査機構は3軸のピエゾ・ポジショナ-、ピンホ-ルは、ZnSeのチップ先端を加工した装置を試作中である。対物レンズは赤外測定であるのでカセグレン反射対物を用いている。 4.分折への応用:3の実験が未だ途中であるので,分析への応用は来年度以降の課題となると思われる。
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