研究課題/領域番号 |
01850171
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 助教授 (30127980)
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研究分担者 |
吉田 多見男 島津製作所, 技術研究本部, 主任研究員
石橋 信彦 九州大学, 工学部, 教授 (00037673)
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キーワード | レインボ-スタ-ズ / 広域波長可変レ-ザ- / 多色レ-ザ- / 四波混合 / 誘導ラマン効果 / 分光分析 / 水素 / 色素レ-ザ- |
研究概要 |
色素レ-ザ-は分光用光源として不可欠の存在であるが、まだ波長可変範囲に問題がある。そこで本研究では二色誘導ラマン効果を用いる広域波長可変・多色レ-ザ-について研究した。 1.二色誘導ラマン効果による回転ラマン光の発生においては偏光の影響を強く受けることが予測される。そこで直線並びに円偏光を入射したときの二色誘導ラマン光の発生について検討した。四波混合の理論から予測されるように円偏光を用いるとエネルギ-の小さな回転スト-クス線が顕著に増幅されることがわかった。しかしエネルギ-の大きなアンチスト-クス線はほとんど発生しなかった。一方、発生する発振線の偏光状態は励起光の偏光状態に強く依存することが確かめられた。 2.分析用光源として用いるためには2波長発振レ-ザ-光の波長を同期して走査する必要がある。当初予定していた色素レ-ザ-の波長を精密に制御して用いる方法は期待通りの成果が挙がらなかった。そこで円偏光の単一波長発振レ-ザ-光を加圧水素に通し、円偏光の回転ラマン光を効率よく発生させる方法を検討した。この方法により二色誘導ラマン効果に必要な2波長発振レ-ザ-光を発生させることができた。 3.二色誘導ラマン効果の効率を向上させるため、色素レ-ザ-・誘導ラマンセル複合システムを開発した。上記の単一波長発振円偏光色素レ-ザ-を用いて2波長発振レ-ザ-光を作り、これを直線偏光に直したのちレ-ザ-色素を用いて増幅し、さらに二色誘導ラマン効果を発生する方式について検討を進めている。 4.分光分析用の光源として利用できることを確かめるため、発生した多色レ-ザ-光を光源とする蛍光分析法について検討した。溶液並びに超音速分子ジェット中の多環芳香族化合物に多色レ-ザ-光を照射して蛍光分析を行い、多色レ-ザ-励起法の利点について検討した。
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