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1990 年度 実績報告書

有機電解質の薄膜を用いる交流検出型気体センサの研究

研究課題

研究課題/領域番号 01850172
研究機関九州大学

研究代表者

高木 誠  九州大学, 工学部, 教授 (90037739)

研究分担者 中野 幸二  九州大学, 工学部, 助手 (10180324)
キーワード化学センサ / 化学的情報変換 / 機能物質 / 合成二分子膜 / 湿度センサ / 二官能性アルカンチオ-ル / アンモニアガスセンサ
研究概要

本試験研究では,標記のセンサシステムとして,1)合成二分子膜修飾電極を用いた湿度センサ,2)新規な長鎖アルカンチオ-ル誘導体の合成とその単分子膜修飾電極を用いるアンモニアガスセンサを開発した。以下に,それぞれのセンサシステムの概要について述べる。
合成系の分子膜形成物質は,細胞膜にきわめて類似した,分子レベルの厚みを持つ二層構造の膜組織体を形成する。我々の提唱する交流検出型センサにおいては,センサ素子表面をごく薄い均一な膜で修飾する必要があり,センサの検出感度が左右される。合成二分子膜による表面修飾は,この要件に合致する。ここでは,分子内にカチオン性の親水性部位を持つ化合物を官能物質に用いて湿度センサを開発した。本センサは,湿度の増加に対して,膜のキャパシタンス変化のかたちで応答する。相対湿度20〜96%の変化に対する応答量は,10pF〜100mFにわたる大きなものであり,応答時間および再現性とも良好な結果を得た。
一方,長鎖アルカンチオ-ル類に見られる,金や銀といった“ソフト"な金属表面への単分子層吸着に着目し,数種の新規な修飾試薬,すなわち,分子の末端に,計測対象とする物質と選択的に相互作用する機能性置換基を導入した,二官能性長鎖アルカンチオ-ル誘導体群を合成した。ここでは,クラウンエ-テル基を導入した感応物質を用いてアンモニアセンサを開発した。本センサは,気相中の数ppm〜100ppmレベルのアンモニアガスに対して,電極の界面インピ-ダンス低下のかたちで応答する。応答時間は数分程度であり,一般的な有機溶媒は妨害とならない。大気中のアンモニアガス許容濃度は25ppm(日本産業衛生学会による勧告値)であり,本センサはアンモニアガスモニタとしての応用が期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mizuo Maeda: "Biomembraneーmimetic ion sensors based on multiphase material containing synthetic polypeptide as sensitizer" Journal of Chemical Society Chemical Communications. 1529-1531 (1990)

  • [文献書誌] Makoto Takagi: "Cation Binding by Macrocycles Complexation of Cationic Species by Crown Ethers (Yoshihisa Inoue,Geoge W.Gokel eds.)" Marcel Dekker, 761 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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