研究概要 |
1.外熱式パルスCVI装置の製作 ガス出入口を共通とする中規模パルスCVI装置を試作した。10万パルスを40時間程度で達成出来ることを目標としたため、0.8秒以内で1Torr以下に減圧可能な大型排気系を付した。2.仮成型体の作製法 2次元及び3次元炭素繊維織プリフォ-ムの作製法を検討した。ト-レTー300及びMー40を使って2次元及び3次元織プリフォ-ムを作製するとき、プライオ-フェン(大日本インク;5900番)エタノ-ル溶液の20,40,60%について比較した。パルスCVIでは細孔への充填を得意とするので、むしろ細孔の最も多い20%エタノ-ル溶液を使用することとした。 3.パルスcvi条件の検討 2次元織プリフォ-ムと4μm炭化ケイ素粉を超音波発振のもとで原プリフォ-ムに充填した試料について主として実験した。メチルトリクロロシラン濃度4.5%〜7%、温度800〜1300℃の条件で1万パルスまでの予備実験の結果、900℃以下がよく、ガス充填後の保持時間は0.3〜0.6秒が適当と考えられた。炭化ケイ素粉の充填は後述の曲げ強度に大きな効果をもち、逆に剛性が大きくなるためにマイクロクラックの発生に注意を要することがわかった。炭化ケイ素粉の充填は60%程度であったので、これの改善が重要因子である。 4.曲げ強度試験 炭化ケイ素マトリックス充填した炭素繊維プリフォ-ムの二点曲げ強度は炭化ケイ素紛を充填したか、否かによって大きく影響を受け、10万パルス後で70MPaと160MPaの差異を生じた。5.SEM及びEPMAによる断面分析 Tー300部分は繊維間の空隙が大きいため、ほぼ完全な充填が確認されたが、Nー40部分は繊維間に空隙が少ない割にかなり埋めていることが確認された。強化は直線的でありパルス数の増加でさらに強度向上が可能と考えられた。
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