研究課題/領域番号 |
01850178
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲垣 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (20023054)
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研究分担者 |
日置 久 富士カーボン製造所, 研究室長
土田 猛 北海道大学, 工学部, 助手 (40041959)
前田 康久 豊橋技術科学大学, 助手 (00159138)
阿久沢 昇 東京工業高等専門学校, 助教授 (70042702)
泉 生一郎 奈良工業高等専門学校, 教授 (50043477)
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キーワード | 黒鉛層間化合物 / 二次電池 / インタ-カレ-ション / アクセプタ-型 / ドナ-型 / 電気化学 |
研究概要 |
1.アクセプタ-型黒鉛層間化合物を用いた二次電池の開発:天然黒鉛をホストとして、混合法によってNiCl_2を含む三元系の黒鉛層間化合物を合成した後、KOH水溶液中での定電流電解によってNi(OH)_2を含む黒鉛層間化合物に変換した。それを電極として、7mol/dm^3KOH水溶液を電解液中での充電、放電を行った。その際のポテンシャル変化の解析によって求めた反応の活性化エネルギ-は放電の際に約10kcal/molであるのに対して、放電の際のそれは約2.0Kcal/molと低いことが明かとなった。放電反応に対する活性化エネルギ-は実用電極に対する値の約半分であり、大電流放電が可能であった。 KBr水溶液中での電解によって臭素ー黒鉛層間化合物が生成する可能性を昨年度において見出したが、本年度はKOH濃度を高くすることによって、比較的安定な層間化合物が得られることを明らかにした。それを電極とした放電過程ではステ-ジ移行に対応する電位のプラト-が認められた。 2.ドナ-型黒鉛層間化合物を用いた二次電池開発のための基礎的検討:ジメチルスルフォキシド中でのアルカリ金属イオン(Li,Na,KおよびRb)の黒鉛への電気化学的インタ-カレ-ション挙動を比較検討した。イオンのカソディックインタ-カレ-ションおよびアノディックデインタ-カレ-ションに相当する明瞭なサイクリックボルタモグラムが得られた。アルカリ金属のうちカリウムの層間化合物が最も自己放電が少ないことが示唆された。 カリウムー黒鉛層間化合物中には水素、アンモニアなど種々のガス分子が吸収される。この吸収過程での層間化合物の電導度、磁気低抗、ホ-ル係数変化を測定した。アンモニアの吸収に伴って、黒鉛層からインタ-カレ-ト層への電子の逆供与が生じていることが示唆された。
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