研究課題/領域番号 |
01850180
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
小和田 善之 兵庫教育大学, 自然系, 助手 (90205542)
足立 裕彦 兵庫教育大学, 自然系, 教授 (60029105)
町田 信也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10190381)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50137238)
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081315)
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キーワード | ゾル-ゲル法 / 金属アルコキシド / ベ-タジケトン / 酸化物薄膜 / 表面改質 / 耐食性 / 耐候性 / 撥水性 |
研究概要 |
金属アルコキシドを出発原料とするゾル-ゲル法を用いて、金属基板上にZrO_2、Al_2O_3、TiO_2あるいはSiO_2などの酸化物被膜を形成すれば、基板の耐熱性、耐候性、耐食性などの向上が期待でき、また電気的特性の制御も可能である。本研究は、単成分あるいは多成分の酸化物被膜を金属基板上に形成するためのプロセスの確立と、金属基板の表面改質への応用を目的として行ったものであり、以下のような成果を得た。 1.Al_2O_3、TiO_2、ZrO_2薄膜などの出発原料である金属アルコキシドは非常に加水分解されやすく、均質な膜を作製するのは困難である。これらの金属アルコキシドを部分的に安定化するための添加物を検討し、βージケトン類やアルカノ-ルアミン類が効果的であることを見いだした。さらに、その効果は溶媒の種類にも依存することが分った。 2.Zr、およびTiのアルコキシドをアセチルアセトンで部分的に安定化し、Pb(OEt)_2を加えて加水分解を行った溶液を用いて、ステンレスあるいはPt基板上にPbZr_XTi_<1-X>O_3薄膜を作製した。500℃以上の熱処理によってパイロクロア、ペロブスカイト相が順次析出し、ペロブスカイト相の析出とともに誘電率が高くなった。ペロブスカイト相が析出する温度はPt基板の方が低いことが明らかとなった。 3.SiO_2被覆亜鉛メッキ鋼板について、塩水噴霧環境下における耐食性に対するコ-ティング溶液調製時の触媒の影響を検討した。その結果、H_3PO_4やH_2SO_4の場合は、HClやHNO_3の場合に比べて、SiO_2膜の被覆による耐食性の向上の効果が少ないことを見いだした。これは、薄膜と基板の界面に不溶性の塩が析出するためであることを明らかにした。 4.オクチル酸ジルコニウムにフルオロアルキルシランを混合して鋼板上にコ-ディングすることにより、フッ素を含むZrO_2膜が得られ、これらの膜は良好な撥水性を示すことを見いだした。
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