研究課題/領域番号 |
01850181
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
小泉 光恵 龍谷大学, 理工学部, 教授 (80029826)
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研究分担者 |
上條 栄治 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30214521)
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
池田 重良 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20028070)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 自己燃焼合成 / 複合材料 / 炭素材料 / 炭化ケイ素 / プロセシング / 微構造 |
研究概要 |
炭素材料は、高潤滑性、電気及び熱の高伝導性、高温還元雰囲気中での安定性等により、古くから種々の分野で広く利用されてきた。しかし、低強度、低い耐摩耗性、空気中での酸化等の問題も残されている。本研究では、燃焼合成法によって、炭素に炭化ケイ素を複合し、さらにその微構造に傾斜を与えることにより、炭素材料の長所を残したまま欠点を改善した複合体を作製することを目的として研究し所期の成果が得られている。実験は次の手順で行った。すなわち、純度99.99%のケイ素を80×40×7mmの炭素直方体に付着させ、アルゴン雰囲気中、1800℃で、ケイ素を溶融含浸させた。 得られた生成物は、やや灰色がかった黒色を呈しており、形状及び寸法は、炭素直方体とほぼ同じであり、その密度は2.4g・cm^<-3>であった。X線回折図より、この生成物は、β型炭化ケイ素、炭素及び微量のケイ素から構成される複合体であることがわかった。複合体の破断面のSEM写真及びEPMAによるケイ素の分布写真から、β型炭化ケイ素は、10〜100μmの炭素粒子の表面に沿って分布していることがわかった。炭素との粒界付近では約2μmの炭化ケイ素粒子が観察され、内部にいくほど、その粒径は大きくなり10μmに達している。これらが結合した群の内部には気孔が観察されたが、炭素粒子の内部には観察されなかった。これは、炭化ケイ素が気孔内面の炭素から成長したため、気孔の中心部分に気孔が残留したものと考えられる。 炭素→炭化ケイ素の反応は理論上約2.4倍の体積膨張をともなう。しかし、複合体の形状は原料炭素材料の形状とほぼ同じであったので、炭素材料中の空隙がこの膨張を吸収したと考えられる。そこで、全空隙量を測定すると、炭素材料から複合体に変化するため0.171cm^3・g^<-1>から0.013cm^3・g^<-1>に減少していた。
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