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1990 年度 実績報告書

2,6ーナフタレンジカルボン酸の新規合成法

研究課題

研究課題/領域番号 01850187
研究機関東京大学

研究代表者

干鯛 眞信  東京大学, 工学部, 教授 (60011011)

研究分担者 碇屋 隆雄  日本鋼管株式会社, 中央研究所第四研究部, 主査
石井 洋一  東京大学, 工学部, 助手 (40193263)
キーワードシクロカルボニル化 / パラジウム触媒 / 2,6ーナフタレンジカルボン酸 / 酢酸3,3ージアリ-ルアリル / 酢酸フェニル / 酢酸2,4ーペンタジエニル
研究概要

2.6ージオチルナフタレンを酸化して2,6ーナフタレンジカルボン酸とする方法は工業的にもよく研究されている。そこでシクロカルボニル化を利用した2,6ージメチルナフタレンの合成についてまず検討を加えた。すなわち、pーTolーCH=CMeCH_2OAcをPdCl_2(PPh_3)_2触媒でシクロカルボニル化して得た1ーアセトキシー3,7ージメチルナフタレンを加水分解して2,6ージメチルー1ーナフト-ルとし(94%)、さらにベンゼンスルホン酸エステルに導いた(73%)。これをPd(OAc)_2(5.2mol%)ーdppb(5.8mol%)触媒を用いてギ酸、あるいはH_2(50atm)で加水素分解したところ、2,6ージメチルナフタレンがそれぞれ86%、93%で得られた。これによりシクロカルボニル化を経て2,6ーナフタレンジカルボン酸を合成するプロセスができあがることになる。一方、シクロカルボニル化を用いた有機合成の展開とその反応機構についてもさらに検討を加えた。まず3位に異なったアリ-ル基を持つ酢酸3,3ージアリ-ルアリルをPdCl_2(PPh_3)_2でシクロカルボニル化すると環化の方向により2種の生成物が生成しうる。pーTol基とpーCF_3C_6H_4基、C_4H_3O基とC_6H_5基などの数種のアリ-ル基の組合せについて検討を行ったところ、環化はいずれの場合も電子豊富な環で選択的に起こり、基質の立体化学によらないことがわかった。このことからシクロカルボニル化はアシルパラジウム錯体のアシル基が芳香環を求電子的に攻撃して進むものと結論できる。一方酢酸5ーフェニルー2,4ーペンタジエニルをPdCl_2(PPh_3)_2でカルボニル化するとC=C二重結合への環化により酢酸2ーアセトキシビフェニルが69%で得られた。同様に各種の酢酸2,4ーペンタジエニルから酢酸フェニル類が合成できた。従来2,4ーペンタジエニル化合物のカルボニル化では5員環生成が起こるとされており、本反応は対照的な結果を与えているとともに、多置換フェノ-ル誘導体合成法としてきわめて有効な方法が開発できたと考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masakazu Iwasaki: "Palladium Catalyzed Cyclocarbonylation of 3ー(Heteroaryl)allyl Acetates" J.Org.Chem.

  • [文献書誌] Masakazu Iwasaki: "Palladium Catalyzed Cyclocarbonylation of 3,3ーDiarylallyl Acetates" J.Organomet.Chem.

  • [文献書誌] Youichi Ishii: "Novel Synthesis of Phenol Derivatives by PalladiumーCatalyzed Cyclocarbonylation of 2,4ーPentadienyl Acetates" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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