研究課題/領域番号 |
01850189
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 治和 大阪大学, 工学部, 教授 (20028963)
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研究分担者 |
野村 良紀 大阪大学, 工学部, 助手 (00156233)
岩本 憲一 日本ペイント(株), 中央研究所, 課長
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キーワード | エポキシ樹脂 / オキサゾリドン / オキシラン / イソシアナ-ト / 有機アンチモンハライド |
研究概要 |
エポキシ樹脂に導入されるオキサゾリドン環を、副反応を伴わずに効率よく合成する触媒として、本年度新たに候補となったものにPh_3SbI_2とZnCl_2との組み合せがある。初年度に、最も効率の高かったMe_2SnI_2ーPh_4SbI触媒と匹敵する性能であったため、この両方を用いて実際のエポキシ樹脂製造工程に適用し、触媒性能評価を行った。また、オキシランとイソシアナ-トとの反応経路を詳細に調査し、立体選択的なオキサゾリドン環の合成法を確立し、その成果を学術雑誌2報に発表した。以下に各々の概要を示す。 (1)触媒性能評価 ビスフェノ-ルAジグリシジルエ-テルと変性MDIとの反応系を用いて評価した。 Me_2SuI_2ーPh_4SbI触媒系……80℃、数分で固化、軟化温度160℃ Ph_3SbI_2ーZncl_2触媒系……80℃、30分で固化、軟化温度190℃ この性能は、従来のアミン触媒系の軟化温度よりも高く良好な結果であった。 (2)反応経路の検討 オキサゾリドンの生成経路は意外に複雑であり、初期生成物のイミノジオキソランがオキシランと付加し、スピロ化合物を与え、これが分解することによりオキサゾリドンに至ることが判明した。この反応には、次のような興味ある特長が認められた。 (1)反応は立体特異的に進行し、生成物の立体化学は加えるオキシランの立体配置が反転したものでイミノジオキソランには関係が無い。 (2)室温で短時間に終了する容易な付加である。 (3)オキシランとイソシアナ-トとの直接シクロ付加では得ることの不可能な立体配置を持つ化合物の成合が可能である。
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