研究課題/領域番号 |
01850201
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30135321)
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研究分担者 |
宮木 義行 東ソー(株), 科学計測事業部, 主任研究員
肥後 裕仁 東ソー(株), 生物工学研究所, 室長
佐々木 博朗 東ソー(株), 生物工学研究所, 所長
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キーワード | ブロック共重合体 / ポリ(アミノスチレンーbースチレン) / N.Nージメチルー4ービニルフェネチルアミン / ポリ(N,Nージメチルー4ービニルフェネチルアミン) / 高分子記憶材料 / アニオン重合 / 4級化架橋 |
研究概要 |
情報を可逆的に、しかも高密度で記録・消去可能な記憶材料を開発する目的で、種々のアミノスチレン・モノマ-のアニオン重合、スチレンとのブロック共重合、ポリ(アミノスチレン)への種々の側鎖のグラフト化を検討した。 1級、2級および3級のアミノ基を有するスチレン誘導体は活性プロトンをトリメチルシリル基で保護すれば、クミルカリウムあるいはクミルセシウムを開始剤とし、THF中ー78℃でアニオン重合されることにより、分子量分布の狭い重合物を得ることができ、保護基も極めて温和な条件、すなわち熱メタノ-ルに溶解後室温放置により、系中に含まれるわずかな水分で加水分解され、その際分子鎖の切断や分子間会合も起こらないことを見いだした。そらに、アミノスチレン、スチレンの順に重合されせば単分散性の高いブロック共重合体がえられる。こともわかった。しかし、オリゴペプチドや液晶性物質のグラフト化を試みたものの、設計通りのグラフト率は得られなかった。これは高セグメント密度による立体障害のためと考えられる。そこで3級アミノスチレンとスチレンのブロック共重合体の2官能性色発色団p,p'ービス(クロロメチル)アゾベンゼン(CAB)による4級化架橋膜のフォトクロミズムを検討した。その結果、N,Nージメチルー4ービニルフェネチルアミン(PTA)は、ガラス転移温度が42℃程度であり、スチレンとのブロック共重合体膜でもCABにより容易に4級化架橋し、得られた架橋膜は紫外線照射により容易に着色化でき、着色状態の熱的安定性も高く、90℃程度に昇温して可視光照射することによりほぼ完全に退色化できることを見いだした。従って、目的とする、記録、保存、読み取りに対応する、容易な着色、熱的安定性、容易な退色という3条件とともに、膜強化も達成できた。
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