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1990 年度 実績報告書

新規非イオン性ヒドロゲルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 01850202
研究機関京都大学

研究代表者

三枝 武夫  京都大学, 工学部, 教授 (80025824)

研究分担者 宮本 真敏  京都大学, 工学部, 助手 (70149524)
中條 善樹  京都大学, 工学部, 講師 (70144128)
キーワードポリオキサゾリン / ヒドロゲル / ディ-ルス・アルダ-反応 / 光二量化反応 / ジスルフィド / ビピリジル / 金属配位架橋反応 / 環境応答性
研究概要

本研究は2ーオキサゾリンの開環重合を基礎として今までにない新しい非イオン性のヒドロゲルの創成方法の開拓と生成したゲルの特性解析を目的とした。すなわち、2ーメチルー2ーオキサゾリンのポリマ-がポリ(Nーアセチルエチレンイミン)の構造をもち、きわめて親水性に優れていることを利用して、新規の非イオン性ヒドロゲルを開発した。本年度は前年に引き続いて、新しいゲルの合成手法を種々検討した。
ポリオキサゾリンの部分加水分解により、二級アミノ基を有するポリマ-を合成し、これと、まずクマリン誘導体のカルボン酸との反応により、クマリンをペンダント基として含むポリオキサゾリンを合成した。このポリマ-に光照射すると、クマリンの二量化反応が起こり、その部分が架橋点となってゲルが生成した。このゲルは波長の異なった光を照射すると、光二量化の逆反応が起こり、水溶性のポリマ-へと変換できた。すなわち、この系は、可逆的にヒドロゲルー水溶性のポリマ-の相互変換ができる機能性高分子材料であることがわかった。
次に、マレイミド、及びフランを有するポリオキサゾリンをそれぞれ合成し、これらを混ぜあわせると、官能基間のディ-ルス・アルダ-反応によりゲルが生成した。このゲルは、熱による逆反応により、再び可溶化させることができる、いわゆる熱可逆性ヒドロゲルであった。
また、架橋点にジスルフィド結合を導入すると、酸化還元条件に可逆的に応答し、ヒドロゲルと水溶性のポリマ-との相互変換が可能な、新規機能性ヒドロゲルが得られた。
更に、ビピリジルなどの配位子を有するポリオキサゾリンと金属イオンとの錯体形成によっても、ヒドロゲルが合成できた。これらのゲルは、その金属錯体の特性によって、種々の環境応答性を有するという、興味ある結果が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "Synthesis of Nonionic Hydrogel,Lipogel and Amphigel by Copolymerization of 2ーOxazolines and Bisoxazoline." Macromolecules. 23. 1234-1237 (1990)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "Reversible Gelation of Polyoxazoline by Means of DielsーAlder Reaction." Macromolecules. 23. 2636-2641 (1990)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "Polyoxazoline Having a Coumarin Moiety as a Pendant Group.Synthesis and PhotoーGelation." Macromolecules. 23. 2693-2697 (1990)

  • [文献書誌] Takeo Saegusa: "OneーShot Block Copolymerization" Makromolekulare Chemie,Macromolecular Symposia. 32. 1-10 (1990)

  • [文献書誌] Takeo Saegusa: "Functional Polymers Based on High Hydrophilicity of poly(2ーmethylー2ーoxazoline)." Makromolekulare Chemie,Macromolecular Symposia. 33. 31-43 (1990)

  • [文献書誌] Takeo Saegusa: "An Organic/Inorganic Hybrid Polymer." Journal of Macromolecular Science,Chemistry. A27. 1603-1612 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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