研究課題/領域番号 |
01850207
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中塩 文行 九州大学, 工学部, 教授 (70037729)
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研究分担者 |
後藤 雅宏 九州大学, 工学部, 日本学術振興会特別研 (10211921)
坪井 彦忠 三井サイアナミッド(株), 技術研究所, 所長
入江 仁 九州大学, 工学部, 助手 (60037786)
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キーワード | 乳化型液膜 / 界面活性剤 / エルマジョン / 希土類金属 / 抽出 / 分離 / 膜透過 / 解乳化 |
研究概要 |
著者らは、現在、実用化の段階を迎え注目されている乳化型液膜法のための新規界面活性剤を開発することを目的として研究を行い、本年度以下のような新たな知見が得られた。 1.新規界面活性剤の合成とその特性 疎水部に長鎖アルキル基を2本導入した、非イオン、カチオン、アニオン、両性型の新規界面活性剤を合成した。なかでも、乳化型液膜による銅イオンの抽出において最も良好な結果を与えたジアルキル型の両性界面活性剤について製造プロセスの最適化を行い、現在商品化を検討している。また、これら一連の界面活性剤について乳化型液膜の安定性を検討した結果、従来の市販界面活性剤の1/10程度の濃度で液膜を安定化できることがわかった。 2.乳化型液膜による希土類金属の抽出 乳化型液膜による希土類金属のモデル系としてバストネサイト鉱石に多く含まれるLaとNdを選択し、先に合成した各種界面活性剤を用いてこれらの抽出分離実験を行った。抽出率の経時変化は、エマルション表面における希土類金属と担体の界面反応モデルによって説明された。その結果、四級アンモニウム塩型の界面活性剤を用いると、従来の界面活性剤Span80を用いた場合に比べ抽出速度が上昇し、希土類金属間の分離係数が向上することを明らかにした。 3.連続式解乳化装置の開発 合成界面活性剤を用いて作成したW/O型エマルションの解乳化実験を、試作した流通式の電気的解乳化装置を用いて行い、解乳化速度に及ぼす種々の因子を明らかにした。解乳化速度は、エマルションの内水滴径及び水分量に大きく依存することを明らかにし、それぞれの因子を考慮した実験式を提出した。
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