研究分担者 |
永田 昌男 東京大学, 農学部, 助手 (70107407)
小林 迪弘 名古屋大学, 農学部, 助手 (60111837)
大庭 道夫 九州大学, 農学部, 助手 (80038281)
井上 元 農林水産省, 蚕糸・昆虫農業技術研究所・遺伝育種部, 室長
三橋 淳 東京農工大学, 農学部, 教授 (90209809)
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研究概要 |
鱗翅目昆虫由来のAntheraea eucalypti細胞系にカイコ病原性の微胞子虫6種(Nosema bombycis NIS 001,N.mesnili,N.sp.NIS M11,N.sp,F30,N.sp.sakusan,Thelohania sp.K25)をアルカリ処理胞子接種法で感染させ、これらの感染培養を8代継代培養した。Thelohania属微胞子虫の培養細胞における増殖と継代はこれが最初の報告である。 鱗翅目昆虫由来の浮遊性培養細胞系2種(ヨトウガおよびハスモンヨトウ)および半付着性双翅目昆虫由来の細胞系1種(ニクバエ)を低コストの昆虫細胞用培地(MM)で静置および攪拌培養し、大量培養の予備試験を行った。50ml程度の培養液量では、静置培養が攪拌培養よりいずれの昆虫培養細胞も増殖率が良好であった。 カイコSESーBoMoー15AII細胞系から付着性およびカイコ核多角体病ウイルス感受性の高いクロ-ンの選抜を試みた。コロニアル・クロ-ニングによって得られた付着性の強いSESーBoMoー15AII細胞系の増殖率およびカイコ核多角体病ウイルス感受性は親株と同等であった。 殺虫性毒素産生細菌Bacillus thuringiensisの培養上清中には、易熱性でSpodoptera frugiperda SF21AEII細胞系に強い細胞変性効果を示す物質(群)がある。しかし、イエバエ幼虫に殺虫効果があるB.thuringiensisの耐熱性外毒素はこの細胞系では検定困難と判断された。 カイコ幼虫体液を添加したTCー10培養液でカイコBMーN細胞系を培養後、カイコ核多角体病ウイルスを接種した。カイコ幼虫体液成分を5ー10%添加した場合、ウイルスの構造タンパク質および封入体タンパク質産生に対する著しい増進効果がみられた。 カイコBMーN細胞系を抗原として抗カイコBMーN細胞ウサギ血清を調製した。酵素抗体法で4種の鱗翅目昆虫由来の細胞系の細胞表面抗原を比較した結果、共通抗原および特異抗原の存在が認められた。
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