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1989 年度 実績報告書

オゾノリシスによる芳香族アミノ酸除去タンパク質の創製

研究課題

研究課題/領域番号 01860011
研究種目

試験研究

研究機関北海道大学

研究代表者

桐山 修八  北海道大学, 農学部, 教授 (00035396)

研究分担者 葛西 隆則  北海道大学, 農学部, 助教授 (80001444)
キーワードタンパク質オゾン分解 / 芳香族アミノ酸オゾン分解 / 芳香族アミノ酸除去タンパク質 / フェニルケトン尿症 / 芳香族アミノ酸代謝異常
研究概要

フェニルケトン尿症等、芳香族アミノ酸摂取を必要最小限としなければならない症状の治療のために、タンパクをオゾン酸化して芳香族アミノ酸残基のみを分解する方法を検討しているが、これ迄はオゾン酸化後生成するオゾニドを分解するために過酸化水素水を添加していた。しかしオゾンは水溶液中で過酸化水素を発生することから、上記の過酸化水素水添加とそれに続く透析の過程は不要と考えられ、それを確かめるために従来通りの方法で調整したオゾン分解カゼイン(OC-I)と過酸化水素水添加の過程を省いて調整してもの(OC-II)を比較した。OC-IとOC-IIとアミノ酸組成、元素分析値、CDその他のスペクトルは同一であり、OC-IとOC-IIをタンパク源とした飼料でラットを飼育した結果も、成長、飼料摂取量、各臓器の状態、血・尿・肝臓・腎臓のアミノ酸、尿中尿素、糞中全アミノ酸、肝脂質、ヘマトクリット値、栄養学的パラメ-タ(タンパク効率、正味タンパク比、生物価、真の消化率、タンパク正味利用率)に両群間で差はなく。OC-IとOC-IIは同一物と確認されたことから、水溶液中でのタンパクのオゾン分解では、オゾニド分解のための過酸化水素水添加は必要ないことが判明した。又これ迄のラット飼育実験ではオゾン分解カゼイン(OC)は原料カゼイン(C)と比べ生物価は同等だがタンパク効率は有意に低かったが、今回調整したOCは生物価、タンパク効率共にC群と有意差が認められなかった。しかし、真の消化率はこれ迄と同様有意に低かった。OC摂取群の尿にのみ存在するアミノ酸誘導体(UN-1、-2)の内、微量のUN-2は各種スペクトル分析、合成品との比較から4-メチルプロリン(ラセミ体)と同定されたが、その由来については検討中である。多量存在するUN-1については、飼料として与えたOC中に存在しており、それが吸収後分解されずに尿中に排泄されることが確かめられた。UN-1は酸で容易に分解するため、今後OCを酸処理してUN-1を分解したものでラットを飼育し、特に真の消化率が上昇するかどうか注目したい。UN-1の構造は現在検討中である。その他、従来は、硫安によりOCを沈澱させていたが、エタノ-ルによる沈澱についても条件を確立した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 葛西隆則: "オゾン分解による芳香族アミノ酸除去タンパク質の製造とその栄養評価" 必須アミノ酸研究. No.125. 53-59 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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