研究課題/領域番号 |
01860013
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林田 晋策 九州大学, 農学部, 教授 (50038197)
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研究分担者 |
友弘 幸男 森永醸造(株), 研究部, 研究次長
宮口 尹男 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30039317)
吉野 貞蔵 九州大学, 農学部, 助手 (80117291)
緒方 靖哉 九州大学, 農学部, 教授 (20038277)
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キーワード | ジャガイモそうか病 / 微生物肥料 / 拮抗微生物 / 微生物防除 / 選択拮抗型微生物肥料 / ヘミセルロ-ス / 農畜産廃棄物 / 土壌病害防除 |
研究概要 |
近年、馬鈴薯特産地ではジャガイモそうか病による病害が深刻化している。本研究は、そうか病に対し顕著な拮抗能を示す微生物を自然界から分離選出し、これら有用微生物の微生物学的特質を明らかにし、これを未利用資源である農畜産廃棄物に増殖・発酵させて、そうか病防除能をもつ微生物肥料を創製し、その大量生産方式を確立し、圃場試験を反覆実施して有効な施肥法を見出し、実用に供するものである。 まず、そうか病菌Streptomyces scabiesに対する拮抗放線菌S.albidoflavus CHー33を選出し、これを生豚ふんに増殖させた微生物肥料BFーCHー33は、圃場試験においてり病抑制率93%という好成績を収めた。しかし、最近そうか病は、従来のS.Scabiesの他に、酸性土壌で旺盛に増殖するS.acidiscabiesの存在が報告され、CHー33株はこれに微弱な抗菌力しか示さないことが判り、より多様な微生物防除法の開発が急務となった。 S.acidiscabiesに対しても抗菌力を示す細菌として、Bacillus licheniformisと同定された2菌株、HYー101及びHYーA2が選出された。これをフスマまたは豚ふんを用いて培養した結果、6〜8×10^9CFU/gまで増殖して抗菌物質を生成した。圃場試験では、HYー101は88〜96%、HYーA2は64〜84%のり病抑制率を示した。 次いで、実用化を目的として、ウィザ-型製麹機を新設し、大量培養のための諸条件を決定した。さらに、そうか病菌は資化できないが、拮抗細菌は資化できる炭素源としてヘミセルロ-スを見出し、“選択拮抗型の微生物肥料"を創製した。この選択性の賦与は新規な方法であり、これによって、有用微生物による畑地土壌の病害菌制御が可能になるものと、来年度の圃場試験に期待している。
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