• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

ニュ-ロキニン群神経ペプチドに対するアンタゴニストの開発

研究課題

研究課題/領域番号 01860015
研究機関筑波大学

研究代表者

宗像 英輔  筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60072766)

研究分担者 有吉 安男  味の素(株), 中央研究所, 部長
山下 亀次郎  筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80015982)
キーワードニュ-ロキニンA / ニュ-ロキニンB / サブスタンスP / アンタゴニスト / NK-レセプタ- / ボンベシン群ペプチド / 構造活性相関 / ドラッグデザイン
研究概要

本研究の目的とするところは,哺乳動物由来のタヒキニン群神経ペプチドであるサブスタンスP(SP),ニュ-ロキニンA(NKA),ニュ-ロキニンB(NKB)に対する選択的拮抗ペプチドを開発することである。我々はこれまでこれら3種のペプチドの様々なアナロ-グを化学合成し,構造と活性の相関々係の検討を行ってきたが,その結果,SP選択性のNK-1レセプタ-のリガンドが,N端から5番目のアミノ酸がアミドを有するグルタミン,8番目が芳香族のフェニルアラニンであることを特徴とするのに対し,NKAならびにNKB選択性のリガンドは前者が遊離のカルボキシル基を有するアスパラギン酸で,後者は脂肪族のバリンであることを特徴とし,さらにNKAとNKBの違いはアスパラギン酸のC側が前者ではセリン,後者ではフェニルアラニンであることを明らかにした。これらの知見は,それぞれのペプチドに対する選択的アンタゴニストをデザイン創製する上できわめて示唆に富んだもであり,それら構造上の特異性を生かし,しかもこれまでの作られてきたアナロ-グを参考にして様々なペプチド誘導体の合成を行った。それらの中で,次のペプチド誘導体がわずかながら目的とする選択性を伴ったアンタゴニスト活性を有するものであった。
Analog A-1 His-Lys-Thr-Asp-Ser-D-Trp-Val-D-Trp-D-Trp-Met-NH_2
Analog A-2 His-Lys-Thr-Asp-Gln-D-Trp-Phe-D-Trp-D-Trp-Met-NH_2
Aanlog A-1はNKAとNKBに対して,またAnalog-2はSPに対して拮抗する傾向を示し,これらの誘導体を軸により選択性の高いアナロ-グを開発することに可能性が開けたたと考えている。5位をフェニルアラニンに置換したアナロ-グはNKB選択的であることが予想されたが,化学合成したこの誘導体はきわめて不溶性で薬理実験の供することが出来ず,さらに構造修飾を行う必要がある。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Eisuke Munekata: "Study on the autagonist of neuropeptide" Proceedings of the 3rd Akabori ConferenceーGerman Japanese Symposium on Peptide Chemistry. 99-102 (1989)

  • [文献書誌] H.Mukai,K.Kawai,S.Suzuki,H.Ohmori,K.Yamashita,E.Munekata: "〔Ala^6〕-gastrin-releasing peptide-10: an analogue with dissociated biological activities." Am.J.Physiol.257. E235-E240 (1989)

  • [文献書誌] H.Mukai,K.Kawai,S.Suzuki,K.Yamashita,E.Munekata: "Antagonism by GRP(18-27) and Supstance P analogues on insulin release stimulated by GRP(18-27)" Peptides. 11. 173-175 (1990)

  • [文献書誌] 向井 秀仁,宗像 英輔: "ボンベシン群ペプチド" 化学と生物. 28. 152-161 (1990)

  • [文献書誌] N.Takuwa,Y.Takuwa,Y.Ohue,H.Mukai,K.Endoh,K.Yamashita,M.Kumada,E.Munekata: "Stimulation of calcium mobilization but not proliferation by bombesin and tackykinin neuropeptides in human small cell lung cancer cells" Cancer Research. 50. 240-244 (1990)

  • [文献書誌] Eisuke Munekata: "Neurokinin A and B" Comp.Biochem.Physiol.98. 171-179 (1991)

  • [文献書誌] 宗像 英輔(共著): "生体機能解明のための化学合成" 化学同人, 253 (1990)

  • [文献書誌] 宗像 英輔(分担執筆): "ドラッグデザインと蛋白工学" 講談社サイエンティフィク, 750 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi