研究概要 |
本研究の目的は,植物生産技術における主要素である植物・機械・環境に対して,各々の要素を整合するインタ-フェ-スを設計する実用的なシステムを開発することである.今日まで,農業機械の研究者および技術者により,植物-機械-環境系の各々の要素についての研究が重ねられ多くの成果が蓄積されている.今後は,その様な要素個別の研究開発に加え,要素間を結合するあるいはそれらを整合する普遍的方法論の確立とその応用技術の開発が急務と考えられる.平成元年度は,ファジィ理論及び発見的自己組織化法(GMDH)を植物-機械-環境系へ適応するための基礎研究に必要な植物-機械-環境系のシミュレ-タとしての装置を設計製作するとともにファジィGMDHと植物-機械-環境系のリンク法に関する基礎研究を行った.さらに,平成2年度は,前年に製作したシミュレ-タを用いてファジィGMDHの基礎理論などを基にインタ-フェ-スを設計するシステムを開発し,当初の予定に従って全システムを制御するコンピュ-タを導入してシミュレ-タを完成した.平成3年度は,近年注目されているニュ-ラルネットワ-クを数値インタ-フェイスに全面的に導入した.特に,開発したシミュレ-タに採用した温湿度同時制御システムはニュ-ラルネットワ-クシステムモデルおよびカルマンフィルタ学習アルゴリズムの組合せで良好な動作を示した.平成2年度までの研究結果より,ファジィGMDHでは複雑な植物-環境系の数値インタ-フェイスが満足できるレベルでの生成が極めて困難であると予想されたためである.最近のニュ-ロ研究において自己組織型ニュ-ロモデルの開発が望まれており,その観点からも,本研究の最終年度で最新のニュ-ロGMDHを完成させた.開発したハ-ドウェアを用いて,ニュ-ロGMDHによる数値インタ-フェイスの動作を明らかにして,数値インタ-フェイス生成システムの実用性を検証する.
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