研究分担者 |
岡崎 克則 東京農工大学, 農学部, 助手 (90160663)
中島 員洋 水産庁, 養殖研究所, 研究員 (60207777)
松田 治男 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (80116863)
平井 莞二 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00100991)
高橋 英司 東京大学, 農学部, 教授 (50183439)
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研究概要 |
現在,マレック病ウイルス(MDV)に起因する鶏のマレック病(MD)の予防には,主として七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)の単価ワクチンが野外で広く用いられている。しかし現行のワクチンでは予防し得ない超強毒MDVによるMDが存在する。本研究はこのようなMDに対応し得るワクチン,組み換え体ワクチン,多価ワクチンあるいは成分ワクチンの開発を最終目的としている。本年度はMDVによる腫瘍発生機序およびワクチン作用機序を解明することを重点的に検討した。 胸腺切除および抗鶏CD4ないしCD8単クロ-ン性抗体投与によりCD4ないしCD8陽性T細胞を欠損させた鶏に強毒MDVを感染させた。CD8欠損鶏においては陰性対照群と同様に神経腫大とリンパ腫のいずれもが認められたのに対して,CD4欠損鶏においては神経腫大は認められたがリンパ腫は検出されなかった。また、CD8欠損群および対照群においてはMDV感染後CD4陽性細胞数が徐々に増加した。これらのことから,MDVのリンパ腫形成にはCD4陽性T細胞の存在が重要であることが示唆された。次に弱毒MDVワクチンを接種したCD4もしくはCD8欠損鶏に強毒MDVを感染させたところ,いずれの群でも発症は認められず,CD8欠損群および陰性対照群においてもCD4陽性細胞の割合が減少していった。これらのことから弱毒MDVによるワクチネ-ションは,何らかの機序によりCD4陽性細胞の出現率を低下させ腫瘍の発生を抑制しているのではないかと考えられた。 MDVの標的細胞を,抗T単クロ-ン抗体を用いたFCM解析から,ConA刺激活性化T細胞を候補として想定した。この細胞にMDVを定量的に感染させることを目的として,リポフェクチン法によるMDV(HVT)DNAのトランスフェクション法を確立した。
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