研究課題/領域番号 |
01860042
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 日本獣医畜産大学 |
研究代表者 |
石井 俊雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (20072449)
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研究分担者 |
東郷 正治 (財)日本生物科学研究所, 副研究員 (70163946)
大永 博資 (財)日本生物科学研究所, 主任研究員 (80072461)
太田 実 東北大学, 農学部・付属農場, 助教授 (00005670)
佐伯 英治 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (80130730)
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キーワード | 放牧牛 / 小型ピロプラズマ / コリネバクテリウム死菌体 / 不活化ワクチン / 免疫処理 / 持続感染免疫 |
研究概要 |
東北大学農学部付属農場において、1989年3月下旬より4月中旬までに生れた放牧未経験牛11頭を供試した。その内訳は、黒毛和種雌5頭、雄1頭および日本短角種雌4頭、雄1頭で、試験開始時に6〜23日齢であった。免疫処理群として3群を設定し、Theileria sergenti赤内型虫体抗原(抗原)とCorynebacterium Parvum死菌体(CPB.乾燥重量として41.5mg/ml)各々3mlずつの計6mlを静脈内に接種し、その2週後に抗原単独で同用量、同一経路で処理したA群には3頭を供した。また、同じ要領で抗原単独2回処理のB群、およびCPB単独1回接種のC群にはそれぞれ2頭をあてた。無処理対照は残りの4頭とした。放牧開始は追加免疫後約4週で、以後2〜3週間間隔で体重測定、一般臨床所見の観察、血液学的諸検査および抗体価の測定を実施した。その結果、原虫寄生率は免疫および無処理の4群ともに7月上旬〜8月上旬に、ほぼ同一の上昇傾効を示しながら推移した。それに伴い、この間の赤血球数およびPCV値も当然下降したが、その推移に4群間で有意な差は認められなかった。また、ヘモグロビン量およびMCH、MCHCについても同様の成績を得た。一方、増体率は各群7〜8月にかけて一過性に低下した。以上、本年度に実施した研究成果から、免疫処理の効果を積極的に示唆する所見は得られなかった。本年度の実験計画遂行にあたっては、抗原製造量が試験規模に追い付かず、さらには甚だ予知し難いことであるが、試験地におけるピロプラズマ病の自然感染が例年にまして強かったことなどが相俟って原虫寄生率等諸検査項目についてワクチン接種の効果が、十分に発揮されなかったものと推察された。今後の課題としては、試験対象牛の年齢等の可及的斉一化を図り、さらにワクチン接種経路についても、小動物を用いた基礎実験成績を踏まえて、腹腔内とすることなどを検討中である。
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