研究課題/領域番号 |
01870003
|
研究種目 |
試験研究
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芳賀 達也 東京大学, 医学部(医), 教授 (30011646)
|
研究分担者 |
町田 肇 三菱化成, 総合研究所, 主任研究員
野口 康二 旭化成, GS開発室, 室長
石田 寅夫 旭化成, 医療開発学術グループ, 部長
|
キーワード | G蛋白質 / アセチルコリン受容体 / ムスカリン受容体 / 蛋白質精製法 / アフィニティ-クロマトグラフィ- / レセプタ- |
研究概要 |
(1)ブタ大脳よりムスカリン受容体を可溶化するdigitoninに代る界面活性剤として、脂肪酸庶糖エステルを検討した。C8、C10、C12、C16脂肪酸の庶糖エステルを種々濃度単独、あるいはsodium cholate又はdigitoninとの混合溶媒として用いた。約20%のムスカリン受容体が可溶化されたが、digitonin可溶化標品よりリガント結合活性が不安定であった。調べたなかでは、0.5%Myristoyl Sucroseと0.1%sodium cholateという組合せが最良の結果を与え、この溶媒で可溶化した標品をABT(Aminobenztropine)agaroseアフィニテイ-クロマトグラフィ-で精製することが可能であった。しかし現在までの結果では収率がdigitoninに及ばない。他のオリゴ糖エステルについても検討中である。(2)HPLC用ゲル(Tresyl Toyopearl,Asahipak GS620など)を用いてアフィニティ-クロマトグラフィ-系の効率の改善を試みたが、十分量ABTの結合したゲルが得られなかった。現状ではSepharoseにEpoxyを介して結合させる方法以上の系は見出せなかった。(3)ブタ大脳及び心房より精製したムスカリン受容体と精製したG蛋白質(Go、GiまたはGn)をリン脂質中に再構成させる系で、グアニンヌクレオチド依存性アゴニスト結合、アゴニスト依存性グアニンヌクレオチド結合、アゴニスト依存性リン酸化などを調べたが、いずれの結果もアゴニスト・受容体・G蛋白質複合体の生成という仮説を支持した。この複合体を安定な形で可溶化する方法の検討をこれから開始する。(4)G蛋白質αサブユニットとβγサブユニットに対するポリクロ-ナル抗体の調製を試みた。αサブタイプC末端のペプチドを用いた時良い抗体が得られだが、βγサブタイプに対する良い抗体はまだ得られていない。(5)受容体・G蛋白質複合体の可溶化および精製の条件を検討するためかなり多量の受容体が必要になるので、ムスカリン受容体を多量に発現させる系の検討を開始した。
|