蛍光倒立顕微鏡を中心に、(1)ケ-ジ分子を用いレ-ザ-光による光化学反応を利用し、Caイオンやサイクリックヌクレオチド等の生理活性物質を局所的に投与し、また(2)細胞膜電位(3)細胞内Caイオン濃度を同時測光できるシステムをほぼ構築した。(1)レ-ザ-には紫外N_2レ-ザ-を用い、光ファイバ-を使用して顕微鏡3眼鏡筒部へ導いた。3眼鏡筒部には光ファイバ-中で広がった光を平行光線とするレンズ系と光束の位置の微調節を行える2次元微動装置(外注)を取り付けた。(2)細胞膜電位の測光は透過光光源より705nmの光を照射し、色素としてはメロシアニン・リョ-ダミン系色素のNK2761またはNK3041を用い、標本を透過した光は顕微鏡側筒に導き、フィルタ-を通しフォトダイオ-ドで測光するようにした。(3)細胞内Caイオン濃度の測光には、Fluo3AMという可視光で励起されまた細胞外液に加えるだけで細胞内に負荷できる色素を用い、落射蛍光光源よりダイクロイックミラ-・フィルタ-を通して490nm前後の光を標本に照射し、530nmの蛍光を顕微鏡側筒に導きフィルタ-を通し光電子増倍管で測光するようにした。現時点で1.2.3.各部の作製は一応終了したが、外注した光ファイバ-取り付け部、フォトダイオ-ドおよび光電子増倍管の取り付け部に問題が生じ、全部品が揃うのが予定より大幅に遅れたため、各部を同時に制御するコンピュ-タ-のソフトフェアの開発等がまだ完了していない、このため実際に細胞を用いて本システムが計画したとおりの機能を発揮できるかどうかの試験はまだ行っていない。細胞を用いてのシステム全体の試験を平成2年度早々に行う予定である。
|