研究課題/領域番号 |
01870011
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 隆一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
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研究分担者 |
真砂 央 日本分光工業(株), 第2事業部
日比 清勝 日本分光工業(株), LC事業部, 課長
笹川 展幸 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20187107)
中木 敏夫 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (30164148)
山本 慧 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (50138129)
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キーワード | 細胞内カルシウム濃度 / 分泌 / PC12 / 副腎髄質細胞 |
研究概要 |
刺激ー分泌連関の研究において、刺激に伴い急速に活性化され且つ不活性化される生理的反応を、分泌された物質の二次的な影響の少ない条件で、解析する手段として灌流系は優れた実験系と考えられる。本研究では、PC12h細胞及び培養牛副腎髄質クロマフィン細胞をマイクロビ-スに接着させて小型蛍光用セルに詰め、Furaー2を用い細胞内遊離カルシウム濃度を経時的に測定すると同時に、カテコラミン分泌を電気化学的検出器を用い測定する方法の開発を試みた。(1)マイクロビ-ズを用いた細胞の接着培養:PC12h細胞はDulbecco′s Modified Eagle′s mediumに10%熱非働化馬血清、5%牛胎仔血清を補った培養液にMEM nonーessential amino acids(x100)を1ml/100ml加えた培養液中で行い、ビ-ス表面の約50%以上に細胞が接着したところで実験に用いた。牛副腎髄質クロマフィン細胞は単離して、differential platingによる精製の後、PC12h細胞と同様の方法でマイクロビ-ズに接着させた。マイクロビ-ズと混合後、5ー7日目に実験を用いた。(2)小型灌流用蛍光セルの開発:試作品であるが、日本分光工業株式会社の協力により分解洗浄可能でデッドスペ-スが約70mlのセルが完成した。接着細胞数や灌流液流量によっては液漏れが生じることがあり、さらに改良を進めている。(3)本灌流系での各種刺激薬物の効果:PC12h細胞において高カリウム、ATPの各刺激により340nm励起の蛍光強度の上昇と380nm励起の蛍光強度の減少、又その比の上昇が見られ、その反応に伴いカテコラミン分泌が認められた。一方、培養牛副腎髄質クロマフィン細胞においても、高カリウムまたはニコチン、によって、濃度依存的な細胞内遊離カルシウム濃度の上昇と、カテコラミン分泌の増加が認められた。この方法により、灌流系においてカテコラミン分泌と同時に細胞内遊離カルシウム濃度変化を測定しうる事が示唆された。
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