研究課題/領域番号 |
01870018
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
勝沼 信彦 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50035375)
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研究分担者 |
花田 和紀 大正製薬(株)総合研究所, 応用生物研究室, 室長
池 祥雅 三井東圧化学(株)総合研究所, ライフサイエンス研, 主席研究員
原 研治 長崎大学, 水産学部, 助教授 (10039737)
唐渡 孝枝 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (60108876)
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キーワード | シスタチン / 骨粗鬆症 / IgE / アレルギ- / Eー64誘導体 / カテプシンB |
研究概要 |
本研究はシステインプロテア-ゼ・インヒビタ-であるシスタチン群により、リソゾ-ム・カテプシン群が病像を作るのに関与している病気、特に骨粗鬆症とIgE関与アレルギ-病の治療薬を開発することを目的としている。我々の基礎実験では、担癌性の高カルシウム血症ラットの血中カルシウムレベルがシステインプロテア-ゼの特異的阻害剤、Eー64(エポキシ・コハク酸誘導体)の腹空内投与、又経口投与によって著明に低下していることを見出しているが、さらに低カルシウム食を約4〜7週間投与して骨粗鬆症を起したラットについても実験をおこなった。これらのモデル動物の大腿骨抽出物質中のカテプシンB、H、Lのうち対照に比ベて、特にカテプシンBの上昇のあることを活性の測定とエライザ法により明らかにした。さらにこのカテプシンB活性は体重100g当り、7.5mgのEー64腹空内投与後約6時間で著明に抑制され、血中カルシウムレベルも軽度ではあるが低下していることを明らかにした。なお大腿骨抽出物質中のカテプシンBは全て成熟型であることも確認している。以上の結果は骨粗鬆症の発症にカテプシンBの関与を示唆するものである。又Eー64がモデル疾患動物の血中カルシウムレベルとカテプシンBレベルの低下に有効なことから、カテプシンBに特異的なEー64誘導体の開発が待たれるが、新たに合成した約50種のEー64誘導体の阻害効果をin vitroの系でB、H、Lに対して調べたところ、ID_<50>がカテプシンBに対してEー64cと同程度の低値を示すが、H、Lに対して10^4倍以上の高値を示すカテプシンBに特異的なものを2種見出したので、in vivoの系で使用可か否か検討中である。リコンビナント・シスタチンについては大量にかつ簡単な精製法を確立し、現在細胞への投与法について検討中である。
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