研究課題/領域番号 |
01870028
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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研究分担者 |
菊地 正悟 順天堂大学, 医学部, 講師 (40224901)
中島 聰總 癌研究会附属病院, 消化器外科, 部長
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
小西 敏郎 東京大学, 医学部, 講師 (20126056)
三木 一正 東京大学, 医学部, 講師 (70107639)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 若年胃癌 / 血清ペプシノ-ゲンI,II / 血清フェリチン / 危険度の指標 / 二次予防 / 初婚年齢 / アレルギ-反応 / 胃癌家族歴 |
研究概要 |
1988年10月〜1991年10月の間に協力医療機関において治療を受けた、診断時年齢40歳以下の胃癌(胃原発の悪性上皮性腫瘍)症例を対象症例として、症例1例に対して同性で年齢±4歳以内の入院患者、健診受診者を各1例を対応させた。この、症例88例、入院対照50例、検診対照87例を用いて自記式アンケ-トのデ-タおよび術前血清の測定値について症例対照研究を行い、以下の結果を得た。 (1)初婚年齢が低い、アレルギ-反応が弱い、胃癌家族歴がある者に若年胃癌のリスクが高いという結果が得られた。今後は、病理組織型別の分析を行うとともに、入院対照の収集を継続し、バイアスの存する可能性のある症例対健診対照の分析から得られた結果と比較検討する必要がある。 (2)今回分析した血清指標はペプシノ-ゲンI、II、ペプシノ-ゲンIとIIの比、フェリチンであるが、その中で、ペプシノ-ゲンIIとフェリチンについても症例と対照の間で平均値に有意な差が認められたが、血清ペプシノ-ゲンIとIIの比が、若年胃癌の危険度の指標としては最も有用であるという結果であった。ペプシノ-ゲンIとIIの比が指標として最も有用なのは、40歳以上の胃癌についてこれまで示されて来た結果と一致していたが、ペプシノ-ゲンIが胃癌のリスクに主たる影響を与えている40歳以上の場合と異なり、若年胃癌にはペプシノ-ゲンIIの影響の方が大きいという結果であった。この指標は、二次予防(検診による早期発見、早期治療)のための指標として実用化すべきものであり、そのためには解決すべきいくつかの課題があるが、十分検討に値するものと考えられた。
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