研究概要 |
ミネラルの内、Na,K,P,Ca,Mgなどの他、微量元素としてはFeを始め16種の必須性が証明されている。これら必須微量元素は今世紀に入ってから米国のSchwarz一門などにより次々発見されているように、その歴史は新しく、現在もその必須性が予測されながらも証明されていない微量元素が多く存在する。そして、最近微量元素高感度測定技術の進歩により、完全静脈栄養管理下の患者や精製度の高い食品や偏った食習慣にともなう微量元素欠乏症が発見されるようになってきた。しかし、Schwarz亡き後、微量元素必須性に関する研究報告は少なく、この種の研究は急務である。本年度の研究では本研究補助金により、(1)微量元素の混入を防ぐ動物(ラットを中心に)飼育システム(飼育室、飼育棚、飼育ケ-ジ、給水瓶など)の試作(2)微量元素の混入を防ぐ動物飼育関連器具及び洗浄用設備の試作(3)微量元素の混入を防ぐ動物飼育用飼料、飲料水確保のため、各種試薬、水の検査・検定(4)先ず最初の動物実験として、本設備を用いて、錫の必須性に関するラットを用いた実験を行い、錫欠乏飼料による3週間の飼育により、成長遅延(体重増加の低下)、脱毛、生体内ミネラル類のインバランスなどが認められ、錫のラットにおける必須性を証明した。
|