研究課題/領域番号 |
01870031
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
稲田 紘 国立循環器病センター研究所, 研究機器管理室, 室長 (20028393)
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研究分担者 |
牧川 方昭 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70157163)
土井 光徳 土佐山田保健所, 所長 (10164089)
武田 裕 大阪大学, 医学部, 助教授 (20127252)
北畠 顕 大阪大学, 医学部, 助教授 (00124769)
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キーワード | 循環器疾患の予防 / 患者教育 / 循環器疫学研究 / 身体活動度 / 心電図 / 心拍数 / 血圧 / 同時計測 |
研究概要 |
循環器疾患の予防や患者教育に役立たせるため、昨年度に日常生活における身体活動度とその関連生体情報を計測・記録しうる装置を試作したが、本年度はその改良をはかるとともに、実際に使用を試みた。本装置は、MICROと称する超小型の携帯型生体信号収集処理装置にセンサを取り付け、身体活動度と心電図の計測を可能としているが、今回、一つ一つのMICROは、それぞれセンサ、周辺回路を計測用途別に固定化して、いわばインテリジェントセンサの形態とし、それぞれの用途別固定MICRO間で計測開始、終了同期などの連携を通信回線で有機的に結合しようとした。これにより、必要な機能を有するMICROを選択するだけで、目的の生体信号の無拘束計測が可能となることや、一つのMICROにおける計測すべき信号チャンネル数が減少し、結果として内蔵メモリが有効に使用できることが認められた。 これをさらに発展させ、身体活動度、心電図のほかに血圧も同時計測が可能な装置を試作した。本装置ではICカ-ドを用い、心電図計測にあたっては、患者が胸部に異常感を感じたときにイベントボタンを押して、その前後の一定時間(1分ないし30秒)の心電図波形を記録可能とすることにより、メモリ容量の制限のため、計測した心電信号から心拍数しか記録できないという、昨年度までの問題点を緩和することができた。 本年度に開発した装置を、循環器疾患の予防、および循環器病患者のリハビリテ-ションや運動療法の立場からの教育に対する適用を試みた。その結果、本研究で開発した装置により、身体活動の種類と身体活動度の正確な把握が可能なことが認められ、循環器疾患の予防のための運動指導や疫学研究などに有用なことが示唆された。とくに、血圧とイベント時の心電図波形の同時計測を可能にした装置は、循環器病患者のリハビリテ-ションや運動療法に役立つことが窺われた。
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