• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

損傷組織の生活反応判定についての研究ー局所のアルブミン・グロブリン量を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 01870032
研究種目

試験研究

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

高部 福太郎  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10079965)

研究分担者 岩佐 峰雄  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00021452)
キーワード生活反応 / 切創 / 皮膚 / アルブミン / γーグロブリン / ELISA
研究概要

損傷組織の生活反応判定についての研究の一環として、本年度は、特にラット背部の皮膚に形成した切創に関して局所のアルブミン(A)・グロブリン(G)量を創縁から400μmの区分ごとに、区分IからVIIIについてELISA法(サンドイッチ法)によって測定し、A/Gの値を求め、これらが損傷の生前死後の鑑別、受傷後の経過時間の判定に利用し得るか否かを検討した。さらに、死後変化(約20℃に放置)および死斑の発現(麻酔死させた後、背部を下方にして約20℃に放置)の影響についても検討した。得られた成績の概略は以下の通りである。
1.生前損傷各区分におけるA,G量は、創縁部分の区分Iが最高値を示し、概ね創縁からの距離に従って順次低下する。死後損傷では各区分間に差はなく、Aでは4.9±0.7μg/mg、Gでは0.9±0.4μg/mgであった。
2.生前損傷各区分におけるA、G量は、死後損傷よりも高値であることから損傷の生前死後の鑑別は可能であった。特に、創縁部分の区分IおよびIIではA、G量共受傷直後から死後損傷よりも高値を示すことは注目に値する。
3.生前損傷各区分におけるA/Gの値は、死後損傷より低値であることから損傷の生前死後の鑑別は可能であった。
4.受傷後に伴う各区分のA、G量およびA/Gの値の変化によって、受傷後の経過時間の推定の可能性が考えられる。
5.死後変化の影響について、1週間放置した試料のA、G量共死後直ぐに採取したものの値とほぼ同じであり、やや腐敗が進んだ試料についても損傷の生前死後の鑑別が可能であると考えられる。
6.死斑の発見の影響について、生前損傷各区分におけるA、G量についての前記1.の傾向に着目すれば、概ね死斑が完成する時期までの間ではなお応用可能であると考えられる。
本法は簡便、確実な損傷組織の生活反応判定法であり、法医学の実際面への応用が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 高部福太郎,岩佐峰雄,前野善孝,井上博之: "損傷組織の生活反応についての研究ー局所のアルブミン・グロブリン量の変化を中心として" 日本法医学雑誌. 43. 89-89 (1989)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi