研究課題/領域番号 |
01870033
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮川 清 東京大学, 医学部・第三内科, 助手 (40200133)
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研究分担者 |
石川 冬木 東京大学, 医学部・第三内科, 助手 (30184493)
宮園 浩平 東京大学, 医学部・第三内科, 助手 (90209908)
北村 聖 東京大学, 医学部・中央検査部, 講師 (10186265)
平井 久丸 東京大学, 医学部・第三内科, 講師 (90181130)
高久 史麿 国立病院医療センター, 病院長 (40048955)
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キーワード | 血小板 / 内皮細胞 / 成長因子 / 血管新生 / 胎盤 |
研究概要 |
血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PDーECGF)の近い将来における臨床応用のための基礎的デ-タを得るために、PDーECGFの生体内における産生部位の同定,in vivo及びin vitroにおける生物学作用の解析を中心に研究を進めた。 PDーECGには正常組織では血小板と胎盤で最も豊富に産生されている。また正常細胞ではヒト線維芽細胞や血管平滑筋細胞がPDーECGFを産生することが明らかとなった。一方、ヒトが人細胞29種類でのPDーECGFの産生の有無を検討した結果では8株において産生が認められた。特に、未分化甲状線癌では3株中2株、肺癌では5株中2株、乳癌では3株中1株、口腔偏平上皮癌では3株中3株に発現が認められた。これらはいずれもmRNAが1.8kbでありタンパクでは45kDaに相当するものであった。PDーECGFにはタンパクが細胞外へ放出されるために必要なシグナル配列がみられないが、これらの細胞においても産生されたPDーECGFがどのようにして細胞外に放出されるかは今後の研究課題である。 血小板でのPDーECGFの局在についてはまだ詳細には検討されていないが、細胞質内に存在することは明らかとなった。他の増殖因子(PDGF,TGFーβ)が血小板の顆粒中に含まれトロンビンで放出されるのに対し、PDーECGFは通常のトロンビン処理で放出されない。これはPDーECGFがかなりの刺激によってはじめて血小板から放出されることを示すものであり、この点とPDーECGFのもつ血管新生の作用とから、in vivoではどのような状況でPDーECGFが機能を果たすかの解明が必要となる。
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