研究課題/領域番号 |
01870049
|
研究種目 |
試験研究
|
研究機関 | (財)体質研究会 |
研究代表者 |
菅原 努 (財)体質研究会, 理事長 (00025511)
|
研究分担者 |
向島 偕 秋田県成人病医療センター, 副センター長
吉川 敏一 京都府立医科大学, 講師 (90158410)
高橋 正治 京都大学, 医学部, 教授 (00026931)
中津川 重一 福井医科大, 医学部, 講師 (00180315)
土屋 武彦 産業医科大学, 医学部, 教授 (60122850)
|
キーワード | 生物学的応答修飾剤 / 免疫 / 漢方薬エキス / 普及型がん治療法 / 放射線療法 / 温熱療法 / 化学療法 |
研究概要 |
放射線照射や抗腫瘍剤投与によるがん患者の耐え難い副作用を軽減し、かつこれらの治療法の治療効果を増強する薬剤を開発することは、現在の普及型がん治療法における最も重要でかつ緊急な課題である。本研究では、ある種のミミズから特殊な条件下で抽出した漢方薬エキス(粉状:名称912)に着目し、がん治療に対する生物学的応答修飾剤(BRM)としての912の作用について、放射線療法、温熱療法、あるいは化学療法における併用効果を調べ、その実用化を目指した。また、漢方薬の免疫応答機能を明らかにすると共に、がん治癒との関係を調べた。主な研究成果を以下に列挙する。 (1)組成分析を行った結果、漢方薬912はタンパク質42.0wt%、糖類7.2wt%、ミネラル等を含有することが明らかになった。 (2)ETM6細胞に対する912のin vitro増感活性を調べた結果、N_2中でX線照射1時間前に912(2mg/ml)を投与した場合、Do値は対照群とほとんど変わらなかったが、Dq値は著しく減少した。他方、N_2中でX線照射1時間後に912(2mg/ml)を投与すると、DoおよびDq値のいずれも減少し、X線による損傷細胞に対する修復阻害作用をもつことが示唆された。 (3)大腿部にSCC VII細胞を移植したマウスを用いてRegrowth Delay法により薬効を調べた結果、912は低線量の放射線照射時に顕著な増感効果を発揮することが明らかになった。また、ニトロアゾ-ル系の低酸素細胞増感剤や温熱と912を併用することにより、極めて大きな効果が得られた。 (4)912の作用に関する臨床知見として、がん患者の疼痛軽減や食欲増進、白血球減少の阻止、NK細胞産生の促進などの効果を示すことが明らかになり、6ケ月以上服用しても副作用は認められなかった。
|