研究課題/領域番号 |
01870050
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
香坂 雅子 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (20183329)
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研究分担者 |
中川原 実 日本電気三栄(株), 北海道支店・医用電子機器製品本部基本技術部, 課長代理
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
福田 紀子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (20173354)
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
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キーワード | DAT / 無拘束長時間生体計測 / EEG / 生体リズム / てんかん / 睡眠覚醒リズム / 睡眠覚醒障害 |
研究概要 |
今年度は最終年度にあたり、試作した記録器を用いて患者への臨床応用を試みた。 1.てんかん例への応用 てんかん発作の検出の目的のために24時間モニタリングを行った。脳波、眼球運動、筋電図、心電図の記録は良好であり、てんかん波、例えばspike,sp-w-cなどの記録も良好であり、通常の脳波計で書き出された波形と較べても遜色なかった。また、これまで抑制されていたと思われていた発作が数十秒、頻回に反復して出現していることが判明する場合もあり、薬物調整等今後の治療方針を立てる上で大きな役割をはたした。同様に、夜間に不眠を訴える症例のなかにはポリグラフ記録を行って始めてREM睡眠期に発作が出現し、そのまま覚醒しているということがわかり、不眠に発作の発現が関与しうることも示唆された。また、てんかん波が検出されず診断に苦慮する場合、本システムで長時間モニタリングするとかなりの確率でてんかん波の検出が可能であり、本法の臨床的有用性が確認された。 2.睡眠覚醒障害例への応用 睡眠障害には夜間の不眠だけではなく昼間の眠気をも加味した検索が必要であるが、そのためには24時間の連続ポリグラフモニタリングが不可欠である。たとえば日中の過眠を呈するナルコレプシ-例では、日中の睡眠発作ならびに夜間の不安定な睡眠状態も本システムを用いて把握することができた。記録中脱力発作も出現し、それに対応した脳波所見、筋電図所見が明瞭に捉えられた。また、近年問題になってきている睡眠時無呼吸症候群についても呼吸センサ-を用いることにより、自宅等において簡便に検査を行うことができ、夜間睡眠の無呼吸のスクリ-ニングにも応用できた。その他にも、睡眠覚醒リズム症候群では、12時間以上にわたって眠るlong sleeperや、遅れた時間帯に入眠する症例などを含み、被験者のみならず検者にとっても簡便に24時間連続ポリグラフ記録を行いえた。以上のように種々の疾患において本システムの有用性が確認された。問題点としてはさらに小型軽量化が望まれることであり、今後の技術の発展に期待したい。
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