研究課題/領域番号 |
01870054
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 慶彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00027111)
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研究分担者 |
渡部 智 京都大学生体医療工学研究センター, 助教授 (40167127)
筏 義人 京都大学生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | ポリ乳酸 / ポリグリコ-ル酸 / 生体内分解性 / 生体材料 / 再建外科 / 助骨骨折 / 骨接合材 / 吸収性材料 |
研究概要 |
ポリ乳酸、ポリグリコ-ル酸ならびにこれらの共重合体は生体内で安全に分解吸収する合成高分子材料であり、その分解速度を規定する材料の因子を変えることにより分解速度をコントロ-ルできるという理想的な性質を持つ。また吸収後に瘢痕組識を残さず、組識が再生することがわかった。これらを用いた外科用の埋植材の開発と臨床応用の検討を行っている。まず、これらの材料で生体内埋入用の材料を製作してその有用性安全性を検討した。すなわち薬物徐放剤、縫合糸、縫合用プレジェット、ブロスタ-、止血剤、軟組識補填材、癒着防止材、骨接合ピン、胸郭変形矯正用プレ-トなどである。いずれも動物実験できわめて有効であることを確かめた。 薬物徐放剤では抗癌剤アドリアマイシンをポリ乳酸でマイクロスフェア-化して用い従来の経静脈投与では行えなかった大量を副作用なく使用しうることが明らかとなった。この抗癌剤徐放材は現在臨床で、手術不能肺癌患者の胸水のコントロ-ルに用いられ有用性が確かめられているこれらの結果はDDS学会にて報告した。 縫合糸では今回我々はこの乳酸と同じくアルファ-オキシ酸であるカプロラクトンと乳酸との共重合体の縫合糸を開発した。この縫合糸はモイフィラメントでかつ従来の分解性の縫合糸より抗張力の減少が遅いため血管の縫合部の連続縫合などこれまでの分解吸収性縫合糸の使えなかった部位への応用が可能であり今後の臨床応用が期待できる。 縫合用プレジェット等縫合補填材としてはポリグリコ-ル酸の不織布を臨床に用いて、胸部外科領域では胸膜欠損部補填、処置の因難な肺瘻などの手術時にきわめて有効であることを確かめた。カプロラクトン共重合体縫合糸、ポリグリコ-ル酸不織布、ポリ乳酸不織布の動物実験ならびに臨床成績は第12回日本バイオマテリアル学会にて報告した。
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