研究課題/領域番号 |
01870058
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
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研究分担者 |
河原崎 茂孝 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (30214711)
水野 浩 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60219649)
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キーワード | 横隔神経損傷 / 横隔神経再建 / 横隔膜筋電図 / 頸部横隔神経刺激 / Waller変性 / type I筋線維,type II筋線維 |
研究概要 |
(1)横隔神経も他の末梢神経と同じように神経外科的処置によって再建できることを確認する。(2)修復に要する時間を知る。(3)修復過程を横隔神経と横隔膜で観察する。これらの目的で昨年度に引続き以下の実験を行った。 雑種成犬14頭(7〜18kg)を用いた。GOF麻酔下に左開胸し、左横隔神経膜上3cmで鋭的に切断し、切断端どうしを縫合した。縫合はEpiーperineurial sutureで、9ー0針付きナイロン糸を用いた。 1)手術前後と4週間毎に両側の横隔膜筋電図と経皮的頚部横隔神経刺激を行い神経伝導の有無を調べた。記録には表面電極を用いた。 2)手術後4週目、8週目、12週目に4〜5頭ずつ両側開胸し神経伝導を評価した後、犠牲死せしめ神経の組織学的評価、横隔膜の組織化学的評価を行った。結果は 1)雑種成犬を対象に横隔神経を横隔膜上3cmで鋭的切断し、一次的に縫合すると、いったん横隔神経の神経伝導は途絶する。横隔神経刺激、横隔膜筋電図で経過を追い、手術後8週間目から神経伝導の回復を確認できた。横隔神経再生速度はおおよそ0.7〜2mm/日と計算され、他の末梢神経の再生速度(1mm/s)とほぼ合致する。 2)手術後4週間目の横隔神経(縫合部末梢側)では、ミエリンのdege nerationがおこり(Waller変性)、殆ど再生線維はみられなかった手術後8週間目、12週間目の標本では多数の再生線維が認められた。 3)横隔膜は、手術後4週目には、特にtype II線維において著明な筋線維の萎縮がみられ、酸化酵素活性(NADHーTR染色)が低下して筋線維のtypeの判別が困難となった。手術後8週間目、12週間目には、時間の経過と共に筋萎縮は改善し、NADHーTR染色でも筋線維の区別が再び可能となる傾向にあった。
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