研究課題/領域番号 |
01870064
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大井 静雄 神戸大学, 医学部, 講師 (30194062)
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研究分担者 |
松本 悟 神戸大学, 医学部, 教授 (10030850)
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キーワード | 水頭症 / 短絡術 / 脳室チュ-ブ / 過剰髄液排除 / slit-like ventricle / isolated fourth ventricle / 頭蓋内圧 / anti-slit ventricular catheter |
研究概要 |
水頭症の治療法に関して、現時点における治療ゴ-ルが短絡管依存性停止性水頭症への移行におかれている現状にあっては、短絡術による種々の合併症を最小限に抑え得る短絡管システムの開発が急務である。現在臨床応用されている短絡管システムは、基本的に圧コントロ-ルによる短絡機構を有するものの、多くの症例で髄液過剰排除が生ずることが知られている。これにより、成人例では硬膜下血腫が、小児例では髄液循環路の隔離とslit ventricle syndrome等か生じ、水頭症治療の大きな弊害となっている。本研究では、これらの合併症の対策として、脳室内AW圧温存を目的としたanti-slit ventricular cathaterの開発をすすめ、実用化することにある。 本年度の研究では、脳室系の圧動態を分析し、anti-slit ventricular catheterの有効性を証明するための脳室系シリコンシミュレ-ションモデルを開発した。これにより、臨床応用の段階に入るためのanti-slit ventricular catheterの縮小モデルの臨床効果を動物を用いることなく実験できる。また、slit ventricle及び isolated ventriclesにおける圧動態の相対的変化が種々の病態設定により諸条件のもとに解析できる。 本年度の研究におけるもうひとつの成果には、ラフト6-AN誘発実験モデルを用いて、幼若脳(この場合は胎仔脳)における水頭症治療後の頭蓋変形及び脳室系の形態変化を観察し、中脳水道が二次的に閉塞しisolated fourth ventricleが出現する機構を解析したことがあげられる。 以上の結果は、本年度さらにデ-タを集積し今後論文発表としてまとめる予定である。
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