研究課題
試験研究(B)
極小関節鏡の改良および外来極小関節鏡検査手技の開発:昭和63年度までに我々が開発した極小関節鏡を外来でルーチンの検査として施行可能とするための操作手技を開発し実行段階へと発展させ、全体で240症例に対して行なった。関節鏡自身と画像処理システムによる画像記録により直径1.5mmの極小関節鏡によっても十分に鮮明な画像を得ることが可能となった。画像処理システムの開発:関節鏡検査は他の内視鏡検査と異なり観血的であり、検査としてとらえると患者への侵襲が小さいとは言いがたい。関節鏡を極小化し局所麻酔化で検査可能にすることもこのためであるが画像を記録することに関してもこの点を十分に考慮しなければならなかった。そこでvideo floppy装置を利用することにより時間に高い画質で記録することが可能となった。この画像を同装置を利用して画像処理システムに取り込む。画像処理システムは撮影された画像を光ディスクに保存する、この画像に対して画像処理により関節軟骨の変性の程度を計測することが可能となった。具体的には軟骨画像の空間周波数を分析し変性度の情報を含む範囲の成分を抽出しその画像のエネルギーを単位面積あたりに換算し表示する。この指標をImage Irregularity Score(IIS)と呼んでいる。外来関節鏡検査で得られた33症例の変形性膝関節症の軟骨像に対し8名の医師が100点満点で評価した場合の点数とIISの相関係数は最大0.738最小0.585平均0.656でありいづれの医師も0.05%未満の危険率で高い相関を示した。また、正常・黄変・線維束化・糜爛・潰瘍・象牙質化という一般的な分類法との関係でも段階が上がる毎にIISの値は増加していくことが分かった。
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