研究概要 |
歯科材料の為害性を適確に高感度に予知できる細胞毒性試験法を開発するために試験細胞を開発し、得られた試験細胞の同定を行った。 1.マウス頭頂骨由来細胞:1週齢マウスの頭頂骨より単離した細胞を培養し、1週間後にSV401argeT遺伝子を含むプラスミドpMT1ーneoをリン酸カルシウム共沈法により導入した。その後geneticin400μg/ml含有培地によるセレクションを経て得られたneomycin耐性細胞のコロニ-からアルカリフォスファタ-ゼ(ALPase)陽性のコロニ-を分離培養した。各コロニ-について週1回の継代培養を続け、現代22代目が増殖中である。継代6代目細胞のALPase活性はコロニ-C,I,Lでそれぞれ0.460,0.630,0.135K.A.U./mg蛋白であり、骨芽細胞の機能を保持していた。 2.ウサギ腎由来細胞:ウサギ(1kg,♂)から腎を切り出し、コラゲナ-ゼ処理によって得られた腎尿細管から外生した細胞について、前記と同様に遺伝子導入操作を行い、長期継代可能な細胞株3種を得て、凍結保存した。1部の細胞については週1回の継代培養を続け、現代35代目が増殖中である。これら細胞株と昨年度得られた歯髄細胞について細胞毒性試験法への応用について検討中である。 以上、骨、腎より臓器機能を有する細胞株を開発し、本年度の研究実施計画は予定通り達成された。
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