研究課題/領域番号 |
01870081
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
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研究分担者 |
高上 輝雄 木更津工業高等専門学校, 助教授 (00010877)
福田 秀昭 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (50014163)
永井 正洋 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10013971)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
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キーワード | 歯科用患者ロボット / 支台歯形成 / 切削力 / 垂直力 / チルトモ-メント / 回転速度 / 切削波形 / 切削技術の評価 |
研究概要 |
今年度は、前年度の切削波形の測定システムをもとに患者ロボットを用いて切削試験を実施し、術者の切削技術を評価するための評価システムを作成すること、さらに、切削技術としてかなり高度な支台歯形成の習得のために、形成中のハンドピ-スの傾斜角度を非接触で測定することのできるハンドピ-ス用平行度測定装置を開発することを目的とした。最初に、患者ロボットによる切削試験は6名の術者によりそれぞれ数回にわたり実施され、そして、この切削波形をもとに主成分分析を導入して評価システムの検討を進めた。その結果、評価因子として、切削作業時間、切削開始から2秒以内に出現する最大垂直力、チルトモ-メントのサンプリングデ-タのうち閾値を超えたデ-タ個数の割合、垂直力のピ-ク値うち引張のピ-ク値の個数の割合、閾値を超えた垂直力のピ-ク値の割合、チルトモ-メントのピ-ク値と谷値の両平均値の比に関する6個の因子がそれぞれに相関が少ないことが分かった。しかし、主成分分析だけでは、切削技術の類似した術者を分類することができるが、詳細な評価を行うことができなかった。そこで、各評価因子について、平均値±3s(s:標準偏差)を5段階に分け1〜5の評点をつけ、各術者の切削技術を、例えばレ-ダ-チャ-トで表示することにより評価した。したがって、歯科学生の切削技術を評価する場合には、これらの平均値をベ-スに評点をつけ、たえず次の習得事項として具体的なコメントを歯科学生に与えることが可能である。次に、ハンドピ-ス用平行度測定装置は、磁気を利用したもので、歯軸面が±10度の範囲内で形成中のハンドピ-スの傾斜角度を実時間で測定することができ、また所定の傾斜角度に達すると術者に警告を発することが可能であり、したがって、歯科学生が支台歯形成を習得するためにかなり有効な装置であると期待できる。
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