研究概要 |
放射線学的検討として,パノラマX線の二次元骨情報とCTスキャンの三次元骨情報との対比を行うために,パノラマX線撮影およびCTの規格撮影を行った。すなわち,補助装置としてacrylic splintを作製し,かつ,術者の水平回転と移動を防ぐための固定指示部を考案設置した。この装置で,インプラント予定患者13名のX線撮影を行い,その再現性の評価を行った。その結果,パノラマX線写真では,口内法X線規格撮影に匹敵する精度を得た。またCT画像でも,従来試みられていた規格CT撮影と比較して同等以上の再現性が確認できた。これらの13名では,インプラント埋入前に顎骨診断を行った。さらに,それらにインプラントを植立したが,この際得られるインプラント窩の骨片を用いてパラフィン標本を作製,組織学的に検討するとともに,骨梁の全面積に占める割合を算出した。この割合を骨占有率をしたが,これは,実際の骨を形成する際の臨床的硬さとよく一致した。また,CT値ともよく対応した。機能的には,インプラント治療前と上部構造物装着後に下顎運動記録と筋電図記録を行ったが,上部構造物装着1年後には,顎運動はスム-ズでリズミカルな咀嚼が営まれており,インプラントの有効性を明らかにできた。
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