研究課題/領域番号 |
01870086
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
山崎 安晴 山梨医科大学, 医学部, 講師 (00210401)
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研究分担者 |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 骨形成因子(BMP) / 骨誘導 / 人工骨 / セッコウ / 徐放システム / 骨伝導 |
研究概要 |
1.[骨形成因子]ウシ脱灰骨から骨形成因子(BMP)の最終精製物で同定されたアミノ酸配列すべてWazneyらの報告によるBMPー3に含まれるものであった。2.[骨形成因子を添加した再構成Matrix人工骨]Tricalcium phosphate(TCP)Hydroxyapatite(HA)の骨の主成分と骨形成因子を再構成することにより、材料表面に骨を直接分化誘導能させ得ることが認められ、TCPとHAでは誘導される骨量に差はなかった。しかし添加した骨形成因子量の割に誘導骨量が少ないことから、それが生体内で早期に散逸する可能性が示唆され、骨形成因子の徐放システムの開発が望まれた。そこで徐放システムとして検討したPlaster of Paris(PLP:セッコウ)では、粗ーBMP単独での確実な骨誘導に必要なBMP量は3mgであるのに対し、BMP・PLP複合体(1:5)ではその量を1mgまで減らすことができ、精製を進め、比活性を上げたBMPではBMP・セッコウ複合体(1:10)の条件でその量をさらに0.25mgまで減少し得た。BMP・PLP複合材の骨組織中での有用性はラットおよびサルの実験で補填部に活発な骨形成が観察され、骨領域においてもPLPは徐放システムの一つとして有用なことが認められた。3.[臨床応用]ヒト歯牙の基質中の骨形成因子を応用し、自己歯牙脱灰基質を作製した。それを主疾患の加療手術時の骨欠損部に填入し骨形成性の促進を検討した。結果は歯牙脱灰基質によると思われる炎症性反応、異物反応等はどの症例においても認められず治癒した。しかし最も期待した骨形成因子による骨形成はレントゲン上、確認できなかった。これは検知方法の問題もあると思われるが、含有骨形成因子の絶対量の不足あるいは母床骨の標的細胞の問題が大きいと考えられ、今後重要な課題である。
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