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1989 年度 実績報告書

受動免疫によるう蝕予防を目的としたS.mutans卵黄抗体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 01870089
研究種目

試験研究

研究機関大阪大学

研究代表者

大嶋 隆  大阪大学, 歯学部, 助教授 (80116003)

研究分担者 小川 知彦  大阪大学, 歯学部, 助手 (80160761)
高田 春比古  大阪大学, 歯学部, 講師 (30135743)
泉谷 明  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70168277)
森崎 市治郎  大阪大学, 歯学部附属病院, 助教授 (30116115)
キーワードう蝕 / Stroptococcus mutans / 受動免疫 / 卵黄抗体
研究概要

鶏に免疫を行うと卵黄内に抗体が濃縮生成される現象に着目し、う蝕原性細胞Streptococeus mutansに対する卵黄抗体のう蝕抑制作用をin vitroの実験系で調べた。
S.mutansの全菌体、菌体表層タンパク抗原(SAI/II)、菌体結合型グルコシルトランスフェラ-ゼ(CA-GTase)および菌体遊離型GTase(CF-GTase)をフロインドの完全アジュバンドとともに産卵鶏に免役すると、卵黄中に各抗原に対する特異的な抗体が検出された。この卵黄をクロロホルム処理することにより脂質を除去し、水容性画分(WSF)標品をえた。このWSF標品を硫酸アンモニウムで塩析し、イオン交換クロマトクラフィ-によって精製したものを、精製卵黄抗体(IgY)とした。
非免疫鶏卵により調製したWSFおよびVIgY標品は、二種類のGTasesによるスクロ-スからのグルカノ合抑を阻害せず、むしろ促進した。しかしCA-GTaseとCF-GTaseに対するWSFおよびIgYは、ともに明瞭なグルカノ合成阻害作用を示した。またS.mutans菌体のスクロ-ス依存性付着に対しても、CA-GTaesおよび全菌体に対するWSFは、強い抑制作用を示した。これらの所見は、卵黄抗体、特にCA-GTaseに対する抗体が、S.mutansのう蝕原性をになうGTasesによるグルカノ合成と、それに伴うS.mutans菌体の平滑面付着を効果的に阻害し、う蝕に対する受動免疫法として利用できる可能性が高いことを示している。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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