研究課題/領域番号 |
01870090
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
|
研究分担者 |
山下 喜久 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20192403)
|
キーワード | Streptococcus mutans / Streptococcus sobrinus / gtfーB遺伝子 / gtfーId遺伝子 / 形質転換 / プロモ-タ- |
研究概要 |
昨年度の計画では、本教室が所有しているStreptococcus mutansのgtfーB遺伝子およびStreptococcus sobrinusのgtfーId遺伝子をEscherichia coliとS.mutans間のシャトルベクタ-であるpVA856に組み込み、さらに強力な遺伝子発現が生じるように両遺伝子のプロモ-タ-部分の修飾を行う予定であった。このようにして得た修飾遺伝子をS.mutansおよびS.sobrinusへ形質転換すれば、gtfーBおよびgtfーId遺伝子産物の過剰産生変異株を作成することが可能であり、さらにこのことは効率の高いワクチン原の精製の確立を可能にする。 昨年度までの研究で、両遺伝子をpVA856へ組換えることには成功したが、このシャトルベクタ-によるS.sobrinusの形質転換は実現できなかった。そこで、当面の研究対象を形質転換が比較的容易であったS.mutansに絞りプロモ-タ-部分の修飾を試みた。しかし、E.coliでのmーRNAの転写原理をもとにしてプロモ-タ-部分の塩基配列を変化させたが、gtfーB遺伝子産物の発現量にはほとんど変化は認められなかった。この結果はS.mutansとE.coliのmーRNA転写原理が必ずしも一致していないことを示しており、我々が目的としているプロモ-タ-部分の修飾にはS.mutansに特異的な転写原理の解明が必要であることが明らかとなった。 そこで本年度はプラスミドの複製起点に着目し、宿主菌体中のプラスミドのコピ-数を増加させることによりmーRNAの転写量の増加すなわち遺伝子産物の発現量の増加を計ることを目標として研究を進めていく予定である。尚、宿主菌には染色体遺伝子にgtfーBおよびgtfーId遺伝子のいずれとも相同部分を持たず、さらにmutans streptococciと分泌機構が類似しているStreptococcus sanguisを用いる予定である。
|