研究課題/領域番号 |
01870095
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
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研究分担者 |
奥本 武城 吉富製薬株式会社, 東京研究所, 室長
生本 武 台糖株式会社研究所, 副主任研究員
飯田 彰 京都大学, 薬学部, 助手 (40202816)
井上 謙一郎 京都大学, 薬学部, 助手 (40025713)
上田 伸一 京都大学, 薬学部, 助教授 (20025688)
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キーワード | 免疫抑制剤 / リンパ球混合培養反応 / 細胞傷害性T細胞 / 細胞特異抗体 / 細胞毒性 / 免疫抑制作用機序 / マイセリア属菌 / 非蛋白質アミノ酸 |
研究概要 |
前年度では、ISPーIとその13種の誘導体につき、主にマウス同種リンパ球混合培養反応(MLR)を用いてin vitroにおける免疫抑制活性を調べると共に、ISPーIについてのみ抗羊赤血球抗体産生への抑制効果(体液性免疫に対する抑制効果を反映する)、細胞傷害活性への抑制効果(細胞性免疫に対する抑制効果を反映する)を調べ、サイクロスポリン(CsA)との比較検討を行った。今年度は、MLRに対しISPーIよりも高い活性を示したISPーIー13を始め多くの誘導体につき種々のin vivoにおける免疫抑制効果並びに細胞毒性を調べた。その結果を下記に列挙する。 1)ISPーIは、経口投与によりiv vivoにおけるマウス同種細胞傷害性T細胞(allo CTL)誘導およびマウス同種細胞特異抗体(allo Ab)産生に対してCsAより100倍程度強い抑制効果を示した。 2)ISPーI誘導体のうち、in vivoにおけるマウスallo CTL誘導に対しISPー13はISPーIよりも10倍強い抑制活性を示した。 3)ISPーI誘導体のうち、ISPーIー13は倍養細胞に対する毒性が最も強いが、Csaよりは弱い。 次に、ISPーI類の作用機序を検討する目的で、インタ-ロイキンー2(ILー2)およびILー3の生産や応答に対する抑制活性を測定した。その結果、CsAはILー2などのサイトカインの産生を抑制するのに対し、ISPーIはILー2などによるT細胞の分裂増殖を抑制することが判明した。従って両者は免疫抑制の発現に際し異なる作用機序を持つという非常に興味ある事実が明らかとなった。 一方、ISPーIよりも高い免疫抑制活性を有する物質を拡索する目的で、ISPーIを高生産するMycelia sterilia菌の代謝産物を検索した。同菌の菌体から新たに3種の物質を単離し、構造を明らかにした。現在それらの免疫抑制活性を調べている。
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