研究課題/領域番号 |
01870098
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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研究分担者 |
東田 道久 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20207525)
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
徳光 幸子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60001046)
富森 毅 北陸大学, 薬学部, 教授 (30100506)
菊池 徹 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40025680)
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キーワード | 老人痴呆 / 予防治療薬 / 薬効評価法 / 二次メッセンジャ- / 神経細胞 / 生薬成分 / α_2受容体 / アデノシン受容体 |
研究概要 |
脳機能への二次メッセンジャ-系の関与とくに記憶への関与を明らかにし、それに作用する薬物の検索、合成を行い以下の新知見を得た。黄〓中に含まれているフラボノイドのいくつかが、培養神経細胞NG108ー15のアデニル酸シクラ-ゼ(AC)を抑制することを見いだし、その構造活性相関についての検討を昨年度に行ったが、今年度はAC抑制活性の最も強かったeupafolinを用いてその作用機序についての詳細な検討を行った。EupafolinによるNG108ー15細胞AC活性の抑制はyohimbine前処置により消失したこと、eupafolinをマウス腹腔内に投与するとclonidine様の鎮静、自発運動抑制作用が認められたこと、さらに、ラット脳シナプス膜画分への[ ^3H]clonidine結合の高親和性結合をeupafolin選択的に抑制したことより、eupafolinはα_2受容体活性化作用を有し、中枢抑制をもたらすことが示唆された。一方、アデノシン(AD)を受容体は中枢ならびに自律神経系支配の臓器に広く分布しており、近年その生理的重要性が注目されていることから、各種AD誘導体を合成し、二次メッセンジャ-量の変化を検討した。AD受容体を豊富に持つJurkat細胞を用いてスクリ-ニングを行ったところ、10数種のAD誘導体が活性を有することが認められた。それら誘導体について、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞を用いてcAMP、cGMP、Ca^<2+>量の変化を検討したところ、2位がアルキニル基で置換された誘導体がNーethylcarboxamide adenosineよりも10倍強い活性を有することを認め、これらはラット大脳皮質膜等のAD受容体に対する親和性も高いことを明らかにした。さらに、記憶障害を生ずることが知られている老化促進マウス(SAM)を用いて、老化にともなったグルタミン酸神経系の機能低下も見いだし、それに対する治療薬の検討を、現在行っている。
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