研究課題/領域番号 |
01870100
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高野 達哉 帝京大学, 薬学部, 教授 (40124995)
|
研究分担者 |
古川 欽一 東京医科大学, 教授 (80074508)
森 雅博 帝京大学, 薬学部, 助手 (00230079)
柳井 靖子 帝京大学, 薬学部, 助手 (60211611)
峰尾 千惠子 帝京大学, 薬学部, 助手 (00190710)
今中 常雄 帝京大学, 薬学部, 講師 (50119559)
|
キーワード | 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 人工血管 / 蟻酸 / 器官形成 |
研究概要 |
我々は、培養系で血管壁を作製するための試験的な試みとして、蟻酸処理をしたイヌ大動脈血管壁にcollagen,fibronectin,fibrinogenをコ-トし、平滑筋細胞、内皮細胞を培養した。その結果、平滑筋細胞培養1〜2週間後には、中膜弾性板間に平滑筋細胞が不均一ではあるが構築されていた。また、この処理血管壁に対する内皮細胞の親和性、増殖性につき観察したところ、内皮細胞も蟻酸処理群で比較的よく生着し、培養1週間後にはほぼconfluentな状態に培養されていた。 さらに、本血管に対する血小板の粘着性について検討したところ、内波細胞が蟻酸処理血管壁の構築されるにしたがって、血小板の粘着は抑制されるという知見が得られた。したがって、内皮細胞構築を亢進することが血小板の粘着を抑制するためには重要な課題であることがわかった。また、内皮細胞の構築を血管壁で促進するためには、細胞間接着物質であるcollagen,fibronectin,fibrinogenであらかじめコ-トしておくことが必要であるという知見も得られた。 現在、本人工血管を用いてバイパス手術をイヌ動脈に対して試みたこころ、小口径人工血管時に特に問題になる血小板の粘着がある程度改善された。また、吻合部でのhyperplasiaも抑制される傾向にあった。しかし、本人工血管を生体に移植する際には、本血管の脆弱性に一部問題が残るようである。今後、Denacole処理などにより本人工血管の強度を増強させるような方法を検討する必要がありそうだ。
|