研究課題/領域番号 |
01870101
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
野本 明男 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門/部長 (70112670)
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研究分担者 |
相沢 主税 北里研究所, 技術部, 部長 (80072362)
山岸 公子 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (20200602)
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キーワード | ポリオウイルス / 感染性cDNA / キメラウイルス / CATmRNA / DI粒子 / トランスフェクション / RNA発現ベクタ- / 組織特異性 |
研究概要 |
ポリオウイルスの全ゲノムRNAに相当する感染性cDNAクロ-マを利用し、カプシド蛋白質コ-ド領域に相当する部位に欠損を持つcDNAクロ-ンを作製した。このとき、平成元年度までの研究から得た成果である欠損部位下流のリ-ディングフレ-ムが正しく保存されていなければならないという知見を考慮して作製した。このcDNAクロ-ンにCATmRNAのcDNAをカプシド蛋白質VP1のコ-ド領域に導入した。このときもリ-ディングフレ-ムが正しく保存されるように配慮した。このキメラポリオウイルス欠陥干渉(DI)粒子cDNAからファ-ジT7RNAポリメラ-ゼのプロモ-タ-を利用し、T7RNAポリメラ-ゼによりキメラポリオウイルスDI粒子RNAをin vitroで合成し、これをHeLaS3細胞にトランスフェクトした。この細胞にスタンダ-ドポリオウイルスをヘルパ-として感染させたところ、キメラポリオウイルスDI粒子が回収出来た。このDI粒子をCsCl平衡遠心法により、スタンダ-ドウイルスから分離し、精製後、HeLa細胞に感染させたところ、HeLa細胞中にCATが産生されていることがCAL抗体を用いた間接蛍光抗体法で検出出来た。さらにこの細胞抽出液からCAT抗体により免疫沈降法により約79KDaのCATを含むポリオ蛋白との融合蛋白質が特異的に沈降することが明らかになった。この融合蛋白質はポリオウイルス特異的蛋白分解酵素2Aによりプロセスされて出来たものと思われる。さらに感染細胞抽出液中にCAT活性があることをCATassayにより検出した。以上のようにポリオウイルスゲノムに組み込んだ外来mRNAが発現することが明らかとなり、ポリオウイルスを発現ベクタ-として使えることが示された。現在、外来mRNAとしてA型肝炎ウイルスのウイルス抗原をコ-ドする領域を導入したキメラポリオウイルスを作製中である。
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