研究課題/領域番号 |
01870103
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
竹内 利行 群馬大学, 内分泌研究所・化学構造部門, 教授 (00109977)
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研究分担者 |
石川 英一 群馬大学, 医学部皮膚科, 教授 (70008233)
小暮 公孝 群馬大学, 医学部第一外科, 講師 (80143220)
堀内 龍也 群馬大学, 内分泌研究所・薬学部門, 助教授 (90008342)
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キーワード | 小人症治療 / 糖尿病治療 / 皮膚移植 / 遺伝子導入 / 成長ホルモン遺伝子 / インスリン遺伝子 / メタロサイオニンプロモ-タ- |
研究概要 |
ラット皮膚細胞を切除、培養し、成長ホルモンやインスリン遺伝子を導入した後、再び同一ラットに移植することにより、小人症、糖尿病、膵臓摘出後等にホルモン欠乏状態の是正を試みることが本研究の目的である。インスリンなど多くの生理活性ペプチドは内分泌細胞で前駆体として産生され、分泌顆粒形成の段階で、そのペプチドに隣接する塩基性アミノ酸配列部分が蛋白分解酵素によって切断され、小さな生理活性ペプチドとなる。我々は皮膚細胞のような非内分泌細胞でも、特有の塩基性アミノ酸配列が認識されて切断をうける機構があることを見い出した。そこでこの分解機構に適合するように、ラットインスリン遺伝子Iが含む前駆体構造、B鎖-Arg-Arg-Cペプチド-Lys-Arg-A鎖を、遺伝子に点変異を入れることによって、B鎖-Arg-Arg-Lys-Arg-Cペプチド-Arg-Arg-Lys-Arg-A鎖となるようにした。我々はこの変異インスリン遺伝子を重金属で制御できるメタロサイオニンプロモ-タ-下に組み込もうとしているが、それはZnでインスリン遺伝子発現を調節することを考えているからである。もう一方の成長ホルモンはプロホルモンの形をとらず、即ち粗面小胞体でシグナルペプチド部分が切断されてると生理活性のあるペプチドとなる。我々はR.Goodman博士(Tufts Univ.Boston)よりメタロサイオニンプロモ-タ-下に組み込まれたヒト成長ホルモン遺伝子クロ-ンを得た。幼者ラット皮膚をはく離し、コラゲネ-スを作用させて、主として繊維芽細胞と角化細胞から成る初代培養細胞をつくる。この培養細胞に成長ホルモン遺伝子を導入し、Zn存在下に培養すると、200〜300ng/mlの成長ホルモンの発現を得た。現在更に高い発現効率を得るべく、Zn濃度や遺伝子導入方法を検討しているが、それが達成されたなら、成長ホルモン産生皮膚培養細胞を再び元のラットに移植する予定である。
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